中国製のAK派生をまとめます。細かいデータなどは載せず軽い説明だけをします。解説というよりは「こんなのもあるんだな〜」と認知してもらおうと思って書いてます。気になった方は自分で調べるか、もしかしたら個別で記事作る銃もあるかもしれません。

また中国製派生に止めるのでKLSシリーズやASh-78などは含んでいません。


 56式自動歩槍



1956年ごろにロシアからAKと生産ライセンスを購入し中国人民解放軍などに向けてコピー生産したモデル。

626工廠や386工廠、66工廠、26工廠、中国北方工業公司(ノリンコ)などで生産されていたが、現在では主に中国北方工業公司で生産されている。

1番の特徴は展開式のスパイク型銃剣の追加で、これは展開することで銃剣格闘が行えるが、展開時に重心が前方により過ぎて射撃がしにくくなるとして不評であった。またフロントサイトが56式半自動歩槍(SKS-45のコピー)と共有した独自の形状となっており、グリップも木製の上に粒状のセレーションを追加した独自のものになっている。前期型はAKレシーバーで、後期型からはAKMレシーバーで製造された。


 56式自動歩槍 1型



56式自動歩槍の銃床をAKS同様のアンダーフォールディングに変更したモデル。

56式自動歩槍同様AKレシーバーの前期型、AKMレシーバーの後期型がある。銃剣付きモデルとないモデルが2種類製造されたが、のちに銃剣付きモデルは生産終了し銃剣なしモデルが生産された。


 56式自動歩槍 2型



1980年に開発された56式自動歩槍をベースに木製固定銃床を右側に折りたためる銃床に変更し、グリップとハンドガードを赤褐色の独特なポリマーで構成したモデル。また展開式の銃剣は省略されている。また主に輸出向けとして生産されているが国内でも運用されている。


 56式自動歩槍 3型



56式自動歩槍をベースに木製固定銃床、グリップ、ハンドガードを赤褐色ポリマーで構成し、AKMの竹槍型マズルブレーキを取り付けたモデル。


 56式自動歩槍 4型



56式自動歩槍 3型のポリマー製固定銃床をアンダーフォールディングストックに変更したモデル。


 56式自動歩槍 5型/56式自動歩槍 M型



56式自動歩槍をベースとした軽機関銃。

RPK風銃床と若干延長された銃身、AK-74のものに似たマズルブレーキを備えている。主に輸出向けとして開発されたが国内でも一定数が運用されていた。


 56式自動歩槍 C型



中国人民解放海軍向けに船上での運用を考慮して56式自動歩槍 2型をベースにカービン化したモデル。

1988年に開発が開始され、1991年に採用された。2021年にも入国事務局や香港関税局などにも配備がされている。

279.4mmに短縮された銃身とハンドガード、ガスブロックを短縮し、銃口にはAKS-74Uによく似た形状のマズルブースターが取り付けられている。またハンドガードは放熱穴が下部ハンドガードにある独特なものに変更され、グリップもコブのついたものに変更された。


 AK-2000P



56式自動歩槍 2型のAK-101模倣モデル。

AK-101模倣なものの簡略化された黒色ポリマー製ハンドガードと、56式自動歩槍 C型と同様の黒色ポリマー製のグリップと銃床、AK-74 タイプ2マズルブレーキを模倣した銃口装置を備えている。使用弾薬は5.56×45mm弾に変更され、84式自動歩槍 S型シリーズと同様の30連金属製マガジンから給弾する。取り付け方法が不明だが照準器が取り付け可能。

インドネシア軍が安価として大量に購入しAK-101とAK-102とともに運用されたが、粗末な仕上げと塗装の剥がれやすさ、耐久性の低さからすぐに運用されなくなりほとんどがフィリピンの警察に払い下げられた。その後フィリピンでは大部分がミンダウ島の犯罪グループへ横流しされた。


 M22



56式自動歩槍の1960年代半ばまで生産された最初期輸出向けモデル。

中国としての接触を最小限に抑えながら56式自動歩槍を輸出するために特別に開発、生産された。仕様は前期型AKレシーバーで、展開式銃剣は省略されている。セレクター表記は連・単からL・Dへ変更された。刻印は66工廠のマークがなくなりM22と刻印が追加されている。

このモデルがヴェトナム戦争時に北ヴェトナムへ大量に輸出された。


 Rk 56 TP "トゥパード"



56式自動歩槍 2型のフィンランド向け輸出モデル。

フィンランド製7.62×39mm弾を正常に発砲するためにハンマースプリングなどに微細な変更がされている。


 86式自動歩槍 S型



56式自動歩槍をベースにブルパップ化したアメリカ向け民間輸出仕様。セミオートオンリーで、グリップ前方に折りたたみ可能なフォアグリップを備え、FA-MASを参考にした大型キャリングハンドルを備えており、その内部にコッキングレバーを備えている。セレクターは親指操作可能なものへと変更されている。またアメリカへと輸出するためSBR認定を避けるため銃身は延長されている。

性質自体はアメリカ向け民間輸出仕様だが開発経緯は95式自動歩槍の開発ノウハウ取得のためと言われている。


今回はここまでとします。次回は56式自動歩槍 S型やさまざまな輸出向けモデルを紹介しますので次回もお楽しみに!