こんにちは埴安神けーきです。中編は滑車を搭載していないASMまでを開設しました。後編は滑車搭載ASMからAN-94までやり切ります。


【注意】

設計者のゲンナジー・ニコノフ・ニコラエヴィチやアバカン計画自体の説明は省きます。

これから紹介する銃の射撃モードは全てセミオート、フルオート、バーストです。


 ASM



【基本情報】

コードネーム:RA-33

使用弾薬:5.45×39mm

バースト:2

フルオート射撃速度:毎分600

バースト射撃速度:毎分1800

重量:3.75kg

全長:946mm

銃身長:415mm


おそらく1988年に試作されたモデル。グリップやマガジンの角度から現在のAN-94に採用されている滑車による高速給弾、高速射撃システムをこのモデルから組み込んでいると予想される。またAN-94とほぼ同じ形状の回転式のリアサイトを備えている。このスリム形状のマズルブレーキは上側に銃剣取り付けラグがあり、6kh2以外の全ての6khシリーズ銃剣を取り付けられる。

 ASM 1988年プロトタイプ(仮称)


【基本情報】

コードネーム:不明

使用弾薬:5.45×39mm

バースト:2

フルオート射撃速度:毎分600

バースト射撃速度:毎分1800

重量:不明

全長:不明

銃身長:不明


ASM/RA-33の木製銃床とグリップを黒色ポリマー製グリップと金属製銃床に変更したモデル。

 LI-291


【基本情報】

コードネーム:LI-291

使用弾薬:5.45×39mm

バースト:2

フルオート射撃速度:毎分600

バースト射撃速度:毎分1800

重量:3.8kg

全長:943mm

銃身長:415mm


ASM 1988年プロトタイプ(仮称)の改良型。外見や作動機構含めほぼほぼ現行のAN-94と同等だが、ハンドガードのデザインが若干違う。


 ASM 1990年プロトタイプ(仮称)


【基本情報】

コードネーム:不明

使用弾薬:5.45×39mm

バースト:2

フルオート射撃速度:毎分600

バースト射撃速度:毎分1800

重量:不明

全長:不明

銃身長:不明


LI-291のハンドガードのデザインを変更したモデル。

このモデルがアバカン計画の最終選考にてTKB-0146を破りロシア連邦軍に6P33として採用され、AN-94 «アバカン»としてアバカンの名を付与された。


惜しくもASM 1990年プロトタイプに敗れたTKB-0146。なにかまとまった情報が入れば個別で解説するかもしれない。


このように晴れて採用されたAN-94だが…

あまりにも複雑な内部機構や分解方法、そしてCNC加工による生産工程が多く非常にコストが高いなどさまざまな欠点が露呈した。

そしてトドメとなったのが設計者のニコノフの事故死で、これによってこれ以上の改良が実質できなくなったためロシア軍は現在もAK-12やAK-74MなどのAK系自動小銃をメイン運用している。

現在AN-94はキルギスの特殊部隊ぐらいでしか採用実績がなくロシア国内では廃棄が進んでいる…

(頼むから無可動実銃に加工して輸出してくれ)


ピカティニーレールを備えた改良レシーバーを備えたAN-94。完全に改良を諦めているわけではないようだ。



キルギスの特殊部隊"スコーピオン"での運用。


これまでに紹介した試作型はカラシニコフ博物館の"アバカン展"にて一部が展示されているため自分の目で確かめることも可能だ。


カラシニコフ博物館にて展示されるASMの1986年、1987年、1988年のプロトタイプ。


資料①

資料②

資料③

資料④