ショートショート「成長」
上司「最近、胸よりくびれや尻の方が
女性的魅力を感じるようになってな、
やはり年取ると上から下に興味が行くもんだな。
佐藤君は女性の魅力とはどういったものに感じるんだね?」
佐藤「私は、断然匂いです。
いい匂いというか、
少しくらい汗臭いにおいのほうが魅力を感じます」
上司「実に率直な意見だ!
しかし、実に変態的だ。
佐藤君、君はやはり少し変態的なところがあるようだな。」
佐藤「上司殿、変態とは幼虫が成虫になるに際して
サナギなどにいったん別の形になることをさします。
つまり成長過程で誰でもなりうる仕方のないことです。
変態にならないものは成長しません、
また、変態になったものは必ず成虫、
いや、立派な大人になりうるのです。」
上司「見事だ!」
佐藤「?」
上司「自分の変態ぶりを正当化する理論のすり替え、
そして最後には応援したくなるように演説する。
見事だ!
佐藤君腕を上げたね?」
佐藤「いやぁ、それほどでもないです。」
上司「ところで、仕事の方もそれくらい
腕を上げてもらえると上司としてはうれしいのだが?」
佐藤「仕事の方はぼちぼちサナギになりますよ。」
上司「サナギか…、
早く成虫になってくれ」