日光観光協会のホームページより抜粋
http://www.nikko-jp.org/perfect/futarasan/yaotome.html
八乙女神楽-やおとめかぐら-ともいわれ、古くから伝わる優雅な神楽の舞である。
現在は二荒山神社本社の弥生祭-やよいさい-などで「御前神楽-ごぜんかぐら-」として奉納されている。
八乙女舞が基本的に神殿のほうを向いて舞われ、参拝者に背を向ける形になるのは、参拝者が神への供え物として舞わせたことが起源だからである。
振り袖-ふりそで-、白のちはや(袖を縫わずに、こよりでくくった、打ち掛け風の白布の衣服)に緋色-ひいろ-のはかまの、2人または4人の巫女-みこ-さんが、鈴・扇や剣を手に、笛と大拍子、銅拍子、篠-しの-ばちでたたかれる太鼓のリズムにのりながら、優雅な舞を神に捧-ささ-げる。日光独自の振り付けに特色がある。
式神楽、速神楽、剣の舞の3様式があり、曲目には御幣の舞・御前(御膳)神楽・榊舞-さかきまい-・檜舞-ひのきまい-・扇舞・剣舞・二荒舞・鉾舞-ほこまい-などがある。演舞時間は、それぞれ5分ぐらいである。
この八乙女神楽は、弥生祭のときだけでなく、拝殿で氏子-うじこ-、参拝者の祈祷祭-きとうさい-にも毎日のように奉納されているから、お参りのときにはぜひ一度、拝観をお願いしてみるといい。
ところで、八乙女神楽といっても、その名が示すように8人の乙女が舞うわけではない。
もともと舞う女性は、氏神-うじがみ-に仕える8軒の家の娘さんに限られていた。しかし長い年月がたつうちに、その選ばれた家の子孫も絶えたり、どこかに移っていったりして、いつとはなしに、その風習もなくなって現在のようになったという。
なんとなく日光ならではの、長い歴史と神と人との親密なつきあいが感じられる話ではないだろうか。