僕と愛梨ちゃんの物語はその夜から始まった。あの夏の夜、よく覚えている。あの夜は花火大会だった。花火大会が終わった帰り道、歩道橋の下で愛梨ちゃんを見つけた。誰が彼女をここに捨てたのか分からないが、彼女の体が汚れていることを除けば、すべては正常だった。愛梨ちゃんの両目はまるで夜の月のようで,澄んで明るい。僕が何を聞いても、彼女は黙っていた。そこで、私は彼女を家に連れて行った。その以来、二人で暮らしてきた。誰が彼女を捨てたかは重要ではなく、なぜなら今、私たちはお互いのすべてだからだ。