中国の一人っ子政策は予期せぬ副作用をもたらした。一家族一児に制限されたとき多くの家族が男児を望み女児を避ける傾向にあることに思い及ばなかったのだ。いま中国全土で男子の結婚難が起こって、相手を外国に求める始末、多くの男たちが近隣アジア諸国に花嫁を求めていると報じられている。少子高齢化も進み日本の状況に近ずいている。30年前の中国では人口減少政策は必要に思われたが、人為的に実行して得た結果が別の問題をもたらしているのだ。次世代のさらなる少子化が人口過剰よりも国に与えるダメージは大きいということだ。人口減は国力そのものを衰退させる。日本の過疎化した地方都市をみればわかる。活力が委縮し将来不安で希望がない。いまや少子化問題対策は喫緊の問題で何よりも優先されるべきといえる。日本では少子高齢化問題が一括りだが、重要なのは少子化対策で何か手をうてるのもこの課題だろう。それには何が少子化をもたらしているのか、真剣にその原因を考えてみるべきだ。なぜ若者たちは子供をもとうとしないのか、もつ意思がないのか、持つことができない社会的要因があるのではないか。経済的な問題ではないか、収入が少なく子供の養育に自信がもてない、将来収入が十分になる希望もない。すでに解っているその原因を、改めて真剣に受け止め、有効な具体案を考え実行に移せば人口回復は不可能ではないはず、外国人移民に依存しなくても可能に思える。