元青山学院大学教授で株式投資に関する著作も多数ある榊原正幸さんの著作となります。因みに榊原さんの著書は初読でしたが、とても読みやすい文章でした。
内容は、「FIRE(Financial Independence,Retire Early)が流行っているけど、「金と時間だけがある若者」なんてろくなもんじゃない。若いときは(好きでなくてもよいので)イヤじゃない仕事をして資産運用の時間を稼ぎつつ経済的地盤を確立して、60歳位で仕事を辞められる状態を目指しましょう。」とリアルなFIREとなる(?)、FIRA60(Financial Independence,Retire Around60)を推奨しています。そのためには「仕事だけで経済的地盤を築くのは難しいので、資産運用(株式投資)をしましょう。」と説いています。
私も元々仕事(というか会社員生活)が苦手で、FIREムーブメント以前から「経済的自由を得て会社員を辞めるという選択肢を持つ」ことを目的に株式投資を始めたので、内容的には共感できる部分もたくさんありました。
納得できた点
・イヤじゃない仕事を探すべき(好きなことを仕事にできれば幸せですが、ハードルが高い)
・人生100年時代というが、100歳まで生きる人はわずか
・自分の金融資産が枯渇しないようなシステムをリタイアまでに作ってしまう
・金融資産を使い切るプランは先細りのプランなので、不安は解消されない
・日本の経済成長には期待できないかもしれないが、日本の株式市場は近代化が遅れており、チャンスがある
・早くお金持ちになることではなく、お金持ちであり続ける仕組みを構築する
・人生を上手に逃げよう
疑問に感じた点
・資産形成は50歳からでも間に合う。
⇒下手くそ投資家の私の例に照らせば、相応の入金力のあるスーパーな投資家でなければ多分10年ではきついです。
・健康寿命は70歳くらいまでなので、60歳位でのリタイアを目指す。
⇒それなら60歳リタイアでは遅いのでは?たった10年しか自由な時間がない。。。
・若くして退職してもヒマだし、ろくなことはない
⇒私の周りもそうですが、なぜ自由な時間があることを過剰に恐れるのか理解できません。
具体的な投資方法にも触れられていましたが、配当利回りが高い国際優良株・財務優良株に投資しインカムゲインを得たうえで、騰がったらキャピタルゲインも得ましょう、というもので特に目新しいものではありませんでしたが、具体的な銘柄の記載があるのは親切かなぁと思いました。
あまり食指が動く銘柄はございませんでしたが…
FIRE本は読んだことはないのですが、今回この本を読んでFI達成への思いを新たにすることができましたので、引き続き粛々とFI達成へ向けて歩を進めてまいりたいと思います。