もうね、開演して初っ端から白井晃さんの演出には参った‼️


これはベートーヴェンのミュージアムに行かなければ出来ない演出方法だと思う。
現地に行って色々と感じ研究されたのだろう。
矢張りこの舞台の根幹は“音”。
※書いちゃうとネタバレになっちゃうので今回は書きませんね^_^

その音を聴いて観客側は考えさせられる扉を開かせられた瞬間にもなるのだろう。

前半はどちらかというと各人の表面的な特徴が出る感じですね。
片桐仁さんが普通に登場してきたなと思いきや
やっぱりお笑いをくれました。
期待通りにお笑いありがとう片桐仁さん‼️
羽場裕一さん、長谷川初範さん、岡田義徳さんのカメレオンアクターも多く本当にどんな役やっても安定感ありながらクセをだす辺り流石だなぁ〜〜と。

今回、岡田義徳さんの役所はなんとなくホッコリするシーンが多く稲垣吾郎さん扮する気性の荒い長男ベートーヴェン(三兄弟、父共に全員ベートーヴェンですから(笑)ポジションで書き分けます)が登場するシーンとの切り替えポイントにもなっているのだろうなとと感じました。

そして何と言っても主役稲垣吾郎さん、序盤内面描写がそんなにないのでにも感じませんでしたが
中盤から後半にかけてはもう怪演圧巻としか言いようがなく、本当に1人のルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの人生を側にいる人間が見ているかのような錯覚に陥りその苦悩と苛立ち、更に幼少時代の父から受けた無謀な扱いと暴力に対するトラウマから自身の行為を全否定し苦しむ姿は飲み込まれました。
表情も序盤は髪の毛長い吾郎さんってな感じにしか見えなかったのですが後半の表情は肖像画などで見るルートヴィヒにしか見えないくらいの変わり様で、この場に本人が降りてきたのではなかろうかと思う位でした。

稲垣吾郎さんの役者たる根幹の凄さを感じました。

相手役の剛力彩芽さんもその怪演に負けないくらいの力強い(さすが姓が剛力だけある)押せる演技でした。

鈴木拡樹くんは前半は矢張り長男に振り回されて気弱で線の細い表情でもあり雰囲気で無難な感じでしたが後半、剛力さん扮するマリアにプロポーズする辺りから1人の男性として生きていく様を見事に演じ且つ、長男に何を言われても妥協せず、抑え込む力強い男性に成長していく様を演じていて生身の人間らしさがよく出てました。
見た目も髭を蓄えた人物にもなっており
拡樹くんがおじさんになったらこんな感じなのかなぁ〜〜とふと脳内を過ぎりました。
勿論ダンディですよ^_^

私個人としては前半の合唱部分の音楽が流れた時パブロフの反応でめっちゃ歌いたい‼️
あー!歌わせてくれ〜〜‼️と言う衝動に駆られて
それを鎮めるのに苦労した(笑)
後半ではもう口パクで全力歌いしてましたけれどね。
やっぱり、あの“音”聴くと抗えない(笑)

プロジェクションマッピングの使い方も上品な演出で
舞台をより奥深いものに作り上げており
2台のピアノで織り成す音楽も弾き手の温度感もあって良かった。

兎も角、演出、演技、舞台構成何から何まで素晴らしく毎日でも観たいと思わせる作品でした。
既にチケットはsold outの様なので、強く再演希望します‼️(てか今回始まったばかりなのに(笑))
これからご覧になる皆さんも、是非、色々と感じ楽しんで下さい♫
今回、タイミング的に観れないという方は
共に再演を祈りましょう‼️^_^

これから後何回第九を歌う機会に逢う度に私はこの舞台を思い出す事になるでしょう。

本当に素晴らしい作品です。

ではっ音譜

鈴木拡樹くん

稲垣吾郎さん


岡田義徳さん


パンフレットの表紙は手書きの譜面があしらわれておりました^_^
装丁も綺麗でパンフレットとと言うよりも書籍という感じ^_^