03 会いたくなった | ハネブロ ハネムーンオフィシャルブログ Powered by Ameba

03 会いたくなった

 「狼のあくび」全曲解説やります。会いたくなった。

 一見、ハチメンのときなら絶対採用しなかったようなタイトル。でも、今にして思えば自主制作のしょっぱな「からくり」出したくらいと伝えたいことは一貫してる気がします。

デモを作る前から実はスタジオで何度か合わせてたのを思い出した。もっとAメロはベタなアルペジオで、その反面ドラムは複雑なのをイメージしてて。コード進行もサビ以外が何気にくせもの。Bメロのアンサンブルだけはこの形を維持してた気がする。アレンジャーさんの「もっとシンプルにエイトビートで押したら?」という一言でだいぶ化けた曲です。ぼやけてた全体像がくっきりしたし、やりたいことがよりロックに収まった。

 最初に出てきた鼻歌の段階で「会いたくなった」という言葉が乗っかっていたので、そっから膨らんでいった歌詞です。そう、俗に言う「会いたすぎJ-POP」にくくられるわけですね!!

 しかし、この曲の主人公はとにかく会いたくなってるだけ。別に会おうと手立てをとるわけでもなく、不意にトースターや洗濯機見て思ってみただけ。会いに来てよとか会いに行くよなんてもってのほかです。

 日常が歌詞になったとたんドラマチックになるなんて嘘くさいと思うんですね。リアルはもっと救いようがないかもしれないし、もちろん、時には脚色のしようがないほど華やかかもしれない。問題は、どう感情的に切り取れるかだと思う。僕にとってこの歌は凄く感情的なんです。正直すぎるくらい、カッコ悪い。だからこそ最後の一行にも自分でグッとくるし。情けない部分が垣間見れた時って、「人間」が一番出てると思うんです。

 レコーディングの話。ストラトで録ったのはこの曲のリードギターがはじめてかも。ストラト、今やメインギターになっています。お気に入りの箇所は、細かいですがアウトロで鳴ってる単音のギターフレーズ。個人的にはミスチルやGRAPEVINEっぽいのかと思ってたけど、出来上がってみたらエンジニアの岩田さんにpillowsっぽいと言われ妙に合点がいきました。

 ニノミヤ