そんなにオレに似てるかよ。


フッフッフッフッフッフッフッフッフニヤニヤ


似てるんじゃないおまえそのものだ、ニヤニヤ




悪い顔して笑ってほーんと、同じだ!ニヤニヤ



そういやよく見るとかわいい

オレの残りはもう2人だけだ。


元々2人しか居なかったんだ、

それにおまえはぜんぜん可愛くない、真顔



いいか。妬くなよ。



へいそこのおねえちゃん

今夜オレをおうちに連れて帰らないかい、


仕事でツラいことがあったろう

会社帰りの疲れたおねえちゃんが

オレをじっと見つめるから

仕方なく声をかけてさ


そしたら彼女

オレのことを優しく抱き上げて

そっとお会計して


袋は貰わずに

胸のあたりに大事そうに抱えて

一人暮らしの家に連れて帰るんだよ

オレを。



、、、、、、真顔



玄関に入るとここでちょっと待っててね、

ってキッチンの上で待たされて

ゆっくりでいいよとオレも返事をしたけど


彼女すぐに戻ってきてオレの髪を

小さなシンクで優しく洗ってくれてさ

あ 緑のヘタのところがオレの髪だからな



で綺麗にしてもらってから部屋に上がるよ。



、、、、、、真顔



彼女は上京してからのことや

学生時代のことまで色々と話してくれて


オレは台湾のフォルモサパインで

とても甘いから芯まで食べられるんだ

なんて話をしてたらもう眠る時間になって


ベッドに入って電気を消したけど

彼女が隣にいてほしいと言い出したから

仕方なくオレも

彼女の横でコロッとなってさ



、、、、、、真顔



オレの体は痛いから触れない方がいい

と言ったんだけど


それでも彼女が

ナベシャツを脱がそうとしてきて

いやそれはやめてくれって言ったよ

あ ナベシャツは黄色いネットのことな



とは言え据え膳食わぬは男の恥だし

いいや男じゃないパイナップルだったか



パイナップルだ、真顔



そしたら薄明かりの中で彼女がオレに

恥ずかしいからメガネを外してって言うよ

でもメガネを外したら

オレの顔も一緒に剥がれちゃうから困った



で彼女とそんなフォルモサパインみたいな

甘すぎる時間を数日間過ごして

とうとうオレの食べごろの日がきたんだけど


中々思い切れない彼女に

キッチンに連れて行ってくれと頼んで

半ば強引にこの緑の髪を切らせてさ





彼女が手を震わせながら髪を切ったあと

とても悲しそうな顔をしてオレを覗き込んで

やっぱり食べられないと泣き出して


そんな彼女にオレは

もう迷わず一思いにバッサリ切ってくれ

とお願いしてようやく別れを決めた彼女が

オレをバラッバラにして


そこからの記憶はオレには無いけど

彼女きっと

ひとり泣きながら食べたんだろうなオレを。



おまえの妄想もいよいよだな、真顔


オレの妄想が大好きなくせに。



おまえはオッサンに買われるんだ

その緑の頭を掴まれて引き摺られて

オッサンの家に連れて行かれるんだ、

帰って仏壇にお供えされて

翌日オッサンに食われる運命だ真顔



オレがお供えされていると

夜遅く帰宅した娘が

フォルモサパインの甘い香りに誘われて

珍しくリビングに顔を出してさ

お父さんにただいまって言うよ


娘は仏間にいるオレを見つけて

ねえお父さん

このかわいいパイナップル今夜わたしの



おまえはオッサンに

食われるんだ!!真顔



つづきはまたいつか

来世パイナップルでもいいなってはなし。



とその後。


それこそパイナップルと寝る女なんて

相当頭のおかしい女だぞ、いいのか、真顔


いいわきゃねえけどオマエが言うなら

相当におかしい女だろうよ。 はあ?真顔