大衆演劇明生座・劇団松丸家3/12 | BOOのなみはや国風土記

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 第2部お芝居は、兄弟鴉は浅間の喜太郎。

 大津の宿。寅次郎は三国屋十兵衛の縄張りを狙い、兄貴の寅五郎の協力のもと十兵衛をたたっ殺した。親を探しに来た喜太郎と春太郎。バラバラで探しているうち春太郎が一味を見つけるが切られた。そこに駆けつける喜太郎。兄ちゃん、俺たちは親父の本当の子供ではない。捨て子だったんだ。昨日親父から話を聞いた。江戸は深川巴屋女中奉公しているおたつという女だ。そんな俺たちを捨てた女とは会いたくねぇと喜太郎が言うが、木箱の中に入ってでも、母親に抱かれたいと言って春太郎は死んでいった。

 

 久しぶりに巴屋に顔を出した寅五郎。女将のおたつに娘おえんをくれという。まだ18です。誰があなたみたいなヤクザ物にくれてやるものですか。分かった、月の半分は闇夜の晩だ。せいぜい気をつけるこったな。捨て台詞を吐き、一味は出て行った。しばらくすると裏木戸で人の声が。行ってみたら旅鴉。女将さん、お尋ねしますが、ここで女中奉公しているおたつさんはいますか。おたつは私ですが。どう見ても女将さんじゃ。ここの主人に見初められ、今じゃここの女将ですよ。大津の宿で子供二人を捨てた覚えは。ありますよ。おっ母さん。なんですかやぶから棒に。熱く自分が息子だということを語るが、けんもほろろに返された。今頃こられたってこっちは困るんだ。春太郎だけでも抱いてやってください。春太郎も来てるのかい。しかし出されたのは骨箱。縁起でもないと言って土間に払い除けた。ハッとする喜太郎。大事に大事に骨箱を抱え、泥を払いのける。あんたって人は、どの手で払い除けた。斬ってやる。どすを振り上げるが、辞めた。あんたみたいな性根の腐った女を切っちまえば、どすが錆び付いてしまう。旅立とうとする喜太郎。そこにおえんと出かけていた手代が急いで帰ってきた。お嬢様が寅五郎の一味にさらわれました。出ていこうとする喜太郎にとりすがる。あなたの妹がさらわれました。どうか助けて。今頃親子と言われても都合が良すぎるんだよ。出ていこうとするが骨箱から弟の声が。兄さん、父親が違っても俺たちの妹だ。俺は助けることができないが兄さん助けてやってくれ。助けてやる。ただし、あんたのためじゃない。弟が言うんだ。

 寅五郎の一家に行き瞬く間に斬り伏せ、娘を助け出した。おっ母さん、この人が助けてくれたの。わかってますよ。喜太郎、先程はすまないことをしました。ゆすりたかりの類、本当の息子かと思ったところから、今度は今の娘可愛さにああいうことを言ってしまいました。どうか、春太郎をうちの物まで弔わせてください。その刹那、渡そうとしようとしたが結局二人で旅立つことにした。

 言うなればば豚の母の亜流。アドリブを入れながら進んでいく。瞼の母よりきついのはコツ箱を払いのけるところ。昔のっ人は穢れの思想が強かったからだろうが、そのあとの母親役の美寿々のアッと言う表情が母親の心情を現している。最後の場面、そっと母親が喜太郎の肩に手をやる。喜太郎が泣きながら手を添えようとするが払いのけて旅立つ場面は秀逸。芝居の評価は2塁打やれる。

 今日の芝居は80分。それでもきっちりと舞踊ショーやった。この辺が大阪乗ってる劇団や。本数が若干少ないのは芝居が長かったのと、演歌歌手(愛川愛)の方が3曲歌ったから。歌うだけより舞踊もした方がよかったと思う。