初投稿 | 児童デイサービス ハンズのわくわく日記

児童デイサービス ハンズのわくわく日記

2012年にNPO法人手と手と手を設立&児童デイサービス ハンズを開設。今年で12周年目!いつもありがとうございます!
児童デイサービス ハンズでの、楽しくてわくわくするような日々を綴っていきます。

大西功が、初ブログを書きます。

僕が手話を学び始めたのは、とても、遅く社会人になってからです。

よく言われるのは、

「あなたは、ろうあ者の両親の子どもだから手話が上手いでしょ」

しかし、小さい時に両親と離れて暮していた僕は

手話を身につけず、母が亡くなり父親一人になった時も

父親とは、筆談・簡単な身振りで生活していました。

社会人になっても、それは変わらず、父親に寂しい思いを

させていたと思います。

僕が、28歳ぐらいの時に、父親が、丸亀にろうあ者の

集まりがあるからクルマで連れて行って欲しいと

頼まれました。

その後、ちょくちょく連れて行く様になりました。

最初は、玄関までだったのが、ロービーまで、と段々

入り口に近づきました。顔なじみになった、手話を学ぶ

健聴者にこう言われました。

「家でのコミュニケーションの方法は?」

「筆談。簡単な身振り。手話を学ばないの?」

顔を合わすたびに同じ事を言われます。

そして、私は思い切って中に入りました。

中では、家では無口な父親が手話を使い他のろうあ者や

手話を学ぶ健聴者と楽しそうに、生き生きと手話で

コミュニケーションを取っていました。

その姿を見て、僕は衝撃を受けました。

家では黙って御祖母さんが居ない時は家事をし、

もくもくと働いていた父親、何時も一人で居た父親が

あんなに嬉しそうに手を動かしている。

帰りのクルマの中で今まで父親にすまないことをした。

父親はずっと、僕と喋りたかったんだ。我慢していたんだ。

寂しい思いをしていたんだ。と後悔の念にかられ

クルマの中で泣いてしまいました。

それを、父親は不思議そうに見て、自分が何かをしたのか

と心配そうな目を向けました。

続く



いさお筆