相談 | Web手外科研究所

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「手の外科無料相談所」で相談を受けたメールとその返事を患者さんの氏名を匿名にする等一部改変して掲載しています。どなたでも読者登録O.K.

 手の外科無料相談所 様
お世話になります。ネットでこのサイトを発見し、すがる思いでメールいたします。
1.年齢、性別
50歳 男子。177cm 62kg
 五十肩、腰痛以外は概ね健康で、スポーツも継続して行なっています。
2.両上肢が痛いのか片方だけなのか
 右手のみです小指第一関節を負傷しました。
3.利き手(症状のあるほうの手なのかないほうなのか)
 利き手です。症状のある方の手です。
4.いつから症状が出てきたのか。その際に交通事故や怪我等原因はあるか
一ヵ月半前、ソフトバレーボールの試合中に負傷。一試合目に受傷したが大きな痛みも無く軽い突き指かと思い、テーピングしてその日4試合に出場。4試合を通じてスパイクなど、かなり打ちました。試合後テープを外し、曲がっていることに気づき当番医へ行き、「腱断裂」と診断。6週間装具固定して、付ける(癒着させる)と言われました。
5.症状のある部位
 小指の第一関節が曲がっていて、自力では伸びません。左手を添えると伸びます。6週間の装具を外した直後は第二関節も動きませんでしたが、今は少し良くなっています。リハビリは2回受けました。指関節の激痛はありませんが、寒さで痛む感じがあります。装具を外した後、むくんで紫色に変色していて、皮膚が剥けた状態でそれで痛みます。
6.今まで病院等にかかったことがあるか。あるならそこでどのような治療を受けたか
受傷当日。整形外科。レントゲン後骨折の無いことを確認後、装具、以降6週間固定。
受傷五週間後。装具脱着&リハビリ
受傷六週間後。「治っていないのではないか」と申告したら、他院病院形成外科に紹介状が出ました。
紹介状が出て二日後。形成外科を紹介状にて受診。レントゲンで骨折の無いことを確認後、以下4案を提示され、方針を決めるように言われました。
手術するとしたら、2種類あって、
①腱復元手術は、切れた腱を繋ぎ縫う。時間が経ち過ぎていて、手を切開して縮んだ腱を探すところからやらないといけない。恐らく腱がちぎれてササくれているから、繋がるか?引っ張って縫えるか?手術後も動かせる保障は無い(極めて薄い)とのこと。期間、費用、痛み、リハビリなどリスクがかなり大きい。これが本筋かと思いましたが、積極的に取り組もうという意思が感じられない提言(説明)でした。もはや、遅すぎるのでしょうか?
②関節固定手術は、腱の治療ではなく、曲がった小指を伸ばして固める策。曲がった関節(小指の内側)に金具?を挿入する手術。その時、骨を削り、くっ付きやすくする。固定した後は金具を抜き取る手術も必要。期間、費用、痛み、リハビリなどリスクがそれなりに大きい。根本解決ではないが曲がった指対策の一つの案と言われました。
③装具 これまでやってきたように外から装具を付けて伸ばして固める策これは手術はないが、かなり長期の時間を要し、ゴールが見えにくい。
④このまま このままもう何もしないという選択。
7.職業(上肢への負担の内容および程度がわかるように)
 IT企業の総務部門に従事。パソコンは日常的に使用。パソコン操作には小指は使わなくてもほぼ大丈夫です。採用担当で人前で話す機会が多いです。(身振り手振りがあります。)
8.現在行っているスポーツおよびレベル(遊び程度からプロ級まで)
 ソフトボール(自治会クラブチームで遊撃手、市Bリーグレベル:中の中か上程度) バレーボール(職場クラブチーム、今は遊びプラスアルファ) 出来れば、どちらもせめて遊びレベルでは取り組みたいと考えています。
相談メールの書式
・治る保障は無いが痛い思いもして費用も時間も掛けてチャレンジするのか?
・よっぽど生活に困らなければある程度で我慢するのか?
手術するべきか?するとしたらどれが良いのか?急いだ方がいいのか?最後は自分の選択だとは思いますし、どれかを選ばないといけませんが、前述の説明だけでは決めかねています。何卒助言をよろしくお願いいたします。

 メール拝見しました。
 腱性の槌指の治療法についてですが、①腱縫合術は治療成績が良くないのであまりやりたくないところです。②関節固定術は成績は安定していますがDIP関節(第一関節、爪の付け根)が動かなくなるのであまりやりたくないところです。③確かにいつ治るかわかりませんがこれが一番よさそうに思います。④治療じゃないのでノーコメント。
 教科書的には六週間の固定でいいことになっていますがそれでも治らないケースがしばしばあり、陳旧性(時間が経過した状態)になると手術しても治療が困難になります。それで私は八週間から九週間固定しています。受傷してまだそこまで時間が経過しているわけではないので文面からは固定による治療継続が第一選択と考えます。固定の際の注意点としましては途中で外してDIP関節(第一関節、爪の付け根)を屈曲させてしまうと一からやり直しになるのでずっと固定していなければならずこれが結構大変です。K-wireで仮固定するのも一選択肢だと思います。
 紹介先の病院の説明はそのままで陳旧性の腱性槌指の治療は難しいので歯切れが悪くなっているのだと思います。どうしてもの場合は陳旧性の槌指の手術もあります。
 手の外科病院一覧を貼っておきます。参考にしてみてください。(これ重要⇒手の外科専門の医師の診察を受けないと意味はありません)