相談(TFCC損傷) | Web手外科研究所

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「手の外科無料相談所」で相談を受けたメールとその返事を患者さんの氏名を匿名にする等一部改変して掲載しています。どなたでも読者登録O.K.

 先生
こんにちは。お世話になります。手について、無料相談させて頂きたく、どうぞ宜しくお願い致します。
①45才、女性(主婦)
②左上肢(手首)
③利き腕ではない
 (しかし、右手が頸肩腕症候群(20年近く)のため、左手でカバーすることが多かった)
 (字を書いたり、包丁、はさみを使うなど、利き手でなければできない細かい作業以外は、主に左手を使用していた)
④二ヶ月前、朝起きて、お弁当を作り、自転車で子どもの荷物を駅まで運んだ後、痛いことに気がついた。直接的な原因は不明。気がついたら、非常に痛くなっていた。少なくとも、前の晩までは、何もおかしなことは無かった。
⑤左手首。豆状骨尺骨の間辺り。左手の手のひらを上に向けたとすると、手首の右端付近の上側(判りにくければ、ご指摘下さい)。骨ではなく、じん帯が痛い。普通にしているときは痛くないが、TFCC損傷で痛くなる動作として書かれている動き(きらきら星など)は全て痛い。一方、手首を固定したままの動作(自転車のハンドルを握るなど。手首を回したりひねったりする動作以外)では、痛く無い。洋服の着脱の際に、不意に手を返すと痛い。
⑥整形外科クリニックに通院中。当日の夕方に最初の受診。 じん帯に痛めているといわれたが、診療費明細には、疾患名「左手関節三角線維軟骨損傷」と書かれている。当日は、検査は無く問診のみの診断で(その後も検査は無し)、レーザとホットパックの治療の指示と、シップが出た。固定はせず。サポーターを作る手続きはした(サポーターは、ALCARE社のリストケア・プロ)。1週間後にサポーターができてからは、レーザとホットパックをするよう指示が出た。それで2回通院。翌日から、2週間の間に、針治療(以前より通っている鍼灸院)に4回行った。初めのうちは、常にジーンと痛い感じだったが、上記のことをするうちに、痛みは特定の作業(TFCC損傷に特有な動作)に限られるようになった。だいぶん良くなったし、サポーターをつけると動きが制限され、他のところが無意識に緊張するようで、左のひじ、僧帽筋、首、肩などの懲りや痛みの方が深刻になったので、サポーターはあまり付けず様子見。その後1ヶ月は、病院に行かず。治療なし。日常生活には支障がないものの、手首をひねったり、モノを押し込んだり、重いものを持ったりするときに出る痛みが、完全に治らないので、今月から通院再開し、レーザとホットパックをやってもらっている(1~2回/週程度)。針も、今月になって3回通院。サポーターは、2日前から常時つけるようにしていました(それまでは、着替えや自転車に乗るときなどにのみ、付けており、ほとんど着けていなかった状態)。状況は、横ばいで、特定の動作ができない状態が続いています。なお、冷蔵庫の中のものを、手をねじりながら延ばして無理な姿勢で取ろうとして、2年ほど前に同じ部位(左手首)を捻挫した際には、同じ病院に行ったが、包帯でしっかり固定(1週間)。それからは、週に4、5回、レーザとホットパック。加えて週1,2回の針治療。1ヵ月半~2ヶ月で完治した。今回痛くなるまで、左手首が痛くなることは無かった。その際にも、先生は「捻挫でじん帯を痛めた」と話してくれましたが、痛かった場所は今回と同じで、痛みの感じもほとんど同じ。ただ、前回は決定的な原因があったので、事故性が自覚できていた点が、前と異なります。この際も、治療と平行して、家事その他、普通になっていて、自転車にも乗っていた。 なお、3歳になったばかりの頃、4階から落ち、両手で着地したようです。その際に両手首を複雑骨折しました。事故で傷めたのは手首だけで、外科で手術して頂き、完治し後遺症も全く出ていませんが、手の怪我としては、そういうこともありました。
⑦スポーツはしていない。子どもの送り迎えで、荷物を持ってやるために自転車に乗る程度(30分/日程度、3kmくらい)。
相談メールの書式
【質問事項】
①今回は、痛くなった際にすぐ固定してもらわなかったし、サポーターも専門の技師に作って頂いたが、常時着けろとの指導が無かったので、上記の通り、あまりまじめに着けていませんでした。先生のHPを見たのは昨日ですので、これからは積極的にサポーターを使用して保護しようと思います。また、レーザとホットパックにも通院しようと思います。ですが、先生のHPによると、最初の1ヶ月が勝負とありますが、私の症状は治りにくいのでしょうか。
サポーターをつけていれば、自転車に乗るのは良いのでしょうか?それとも、自転車に乗っていると、症状を悪化させて治りが悪くなりますか。
サポーターをつけて手首を固定したまま、いろいろなことで手を動かすのは良いのでしょうか。例えばキーボードを打ったり、力のかからない家事を行ったり、です。また、YAHOOヘルスケアのTFCC損傷の相談で、手首を動かさずに、柔らかめのボールを押しつぶすような運動をして、手のひらの筋肉を強くすると良い、とのアドバイスが複数掲載されていましたが、この運動は本当に有効なのでしょうか。傷めた部位に悪影響は無いのでしょうか。
④今の地元の病院は、すぐに病名もついたし、一応信頼しています。ここで継続して診てもらい、よくならないようであれば、紹介状を書いてもらって、貴ホームページで紹介されている病院などに移るほうがいいでしょうか。(あくまでも、現在の病院のほうが、後々の関係を考えると良いだろうと思っています)。大学病院が、比較的近いのですが、良い先生はおられませんか。手の専門外来はあります。
⑤余談ですが、針の先生に、今日「TFCC損傷は治療が難しく大変なようですね」と聞いたところ、「尺骨突き上げ症候群は昔から良く知られている。普通にたくさん治してきましたよ」と言っておられましたが、ネットでいろいろと調べたところ、治りにくいとか診断がつきにくいとか書いてあります。どういうことか不思議ですが、実際はどちらなのでしょうか。
 以上です。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 ところで、手を使うことができないため(右は頸肩腕症候群、左はTFCC損傷)、主人に代筆してもらっています。

 メール拝見しました。
 TFCC損傷の治療についてですが、
①何とも言えないところです。
②痛みがない範囲で乗っていいかと思います。
③悪影響もないと思いますが効果も小さいと思います。
④治らなければ転院し、治ればそのまま治療を継続でいいかと思います。大学病院の医師につきましてはよく知りませんので何ともいえません。
TFCC損傷尺骨突き上げ症候群は区別がつきにくいこともしばしばあります。尺骨突き上げ症候群はレントゲンで尺骨の突出がある場合を言っています。
 手の外科病院一覧を貼っておきます。参考にしてみてください。(これ重要⇒手の外科専門の医師の診察を受けないと意味はありません)