ヘンリー・メルヴェール卿シリーズの長編第2作。雪の密室殺人。足跡は発見者が付けたばかりの一組のみ。(∪^ω^)わんわんお! [???]
ヘンリー・メルヴェール卿(H・M):英国政府高官, 犯罪捜査の天才
ジェームズ・ボイントン・ベネット:その甥, 外交官
マーシャ・テート:ハリウッドの女優
カール・レインジャー:映画監督
ティム・エマリー:マーシャの宣伝係, 妻はマーガレット
モーリス・ブーン:白い僧院の当主, 歴史学者
ジョン・アシュリー・ブーン:その弟, 映画関係者
キャサリン(ケート)・ブーン:その姪
カニフェスト卿:新聞界の大物
ルイーズ・カルー:その娘で秘書
ジャーヴィス・ウィラード:舞台俳優
トムスン:白い僧院の執事
トムスン夫人:その妻
ステラ:白い僧院の女中
ベリル・サイモンズ:同
ビル・ロッカー:白い僧院の馬丁
テンペスト:白い僧院の飼い犬
カーロッタ:マーシャがロンドンに残してきた女中
ハンフリー・マスターズ:ロンドン警視庁の主席警部
チャーリー・ポッター:州警察の警部
ウィン博士:検死医
別館に一人で泊まっていた女優マーシャ・テートの死体が発見された。数時間前に他殺されたと見られるが、家の周囲にはその前夜に降った雪が薄く降り積もっており、発見者が付けたばかりのまだ新しい足跡が一組あるだけで、犯人が逃亡する際の足跡は見当たらなかった。
マーシャは実際に殺害される前に、毒入りチョコレートを贈られ、階段から突き落とされそうになっていた。
※以下反転表示部のネタバレ注意。
ミステリ史上に数ある“雪の密室”の中でも代表的な作品。作中では、的外れなものを含めて三つの解決が提示され、そのうちの二つでは足跡そのものの加工に注目しており、真相から読者の目を逸らしている。機械的なものに頼らない、このトリックと作品を江戸川乱歩は高く評価した。
積雪が薄いというのが本作のトリックを成立させる要素だが、厚い積雪でこのトリックを用いた作品は、これ以前にはなかったのなかなぁ。もしあったのなら、当時の読者がそこに気づかなかったとは思えないが。
定番パターンを用いたものの宿命として、過去の作品で用いられたトリックを一つ一つ潰していく必要がある。そこに苦心する反面、それを利用して物語を組み立てているようでもある。
雪の密室の謎を中心に据えてはいるが、それだけでは真犯人には辿り着けない。そのための手がかりがばら撒かれ、犬の吠え声も重要なポイントとなっている。車の描写という、読者が読み飛ばしそうな、一見どうでも良さそうな記述の中にも重要な手がかりが潜んでいるのはいかにもカーらしい。複数の人物の別の思惑が絡み合うことによって不可能状況を作り出す手法は、その無理を巧みに隠している。
本作ではH・Mが密室についてちょっとばかり語っているが、あるいはこれが後の「三つの棺」の密室講義へと繋がっている…?
[1 鏡の中の映像] H・Mとベネットとの初対面。マーシャに関する説明。「」
[2 弱い毒] 毒入りチョコレート事件について。「エマリーの車には銀メッキの派手なラジエターキャップが付いている。エマリーは妻マーガレットと同じくらいマーシャを愛してると語る。マーシャに贈り物としてチョコが届けられる。マーシャの知人なら彼女が甘い物を好まないことを知っているが、知人でもなければその住所を知るはずがない。レインジャー、ジョン、ウィラード、エマリー、ベネットがそれを食べ、後にエマリーはストリキニーネ中毒で倒れる。残ったチョコレートのうち、ちょっと形が潰れている一つの中から毒が検出される。致死量には達していない」
[3 <王妃の鏡>での死] <白い僧院>の別館<王妃の鏡>でマーシャの死体が見つかる。「6時を過ぎてからベネットが到着したとき、別館の前にジョンが立っており、マーシャが死んでいると告げる。別館は周囲を人工池に囲まれ、そこに通じる道は一つしかない。池には薄氷が張っており、そこも含めて、辺りにはすでに止んでいた雪が2センチほど積もっている。別館へと向かうジョンの、まだ付いたばかりの足跡が一組だけ残っている。室内にはマーシャの死体。床には砕けたグラスが散乱するなど、室内は荒れている。マッチの燃えさしが何本も落ちている」
[4 チャールズ王の階段] ウィラードが事件前夜について語る。「マーシャは一人で別館に泊まっていた。ルイーズは暗い廊下で誰かに手首を掴まれた。ジョンが住む<チャールズ二世の部屋>には、表玄関を通らずに本館の外へと出られる秘密の階段がある。何人かでその階段した際、マーシャが転落しそうになった。誰かが彼女を意図的に落とそうとした疑惑が濃厚。別館のマーシャをウィラードが訪ねると、彼女は別の誰かを待っていた様子。雪は深夜0時から2時頃まで降っていた」
[5 廊下の影] マスターズが捜査のためにやって来る。
[6 「歩いても足跡を残さない者――」] ベネットとキャサリンとの初対面。ウィン博士の見解。「キャサリン、錯乱したルイーズに首を絞められ、痣を作る。暗がりで手首を掴まれたというルイーズには血が付いていた。マーシャ殺害の凶器はまだ判明すらしていないが、キャサリンは唐突に鉛を詰めた乗馬鞭のことを口にする。マーシャの死亡推定時刻は午前3時から3時半。雪が止んだのは2時なので、殺害後に別館から脱出した犯人の足跡が残っていないのは奇妙」
[7 絞首刑にするための筋書] レインジャー、ジョンを犯人として告発する。「レインジャーの証言:マーシャには秘密の夫がいるらしい。カニフェストが劇への出資を取り止めたため、ジョンは彼に再考を求めて出かけたが失敗し、午前1時半に帰って来たという。その根拠はその時刻に犬が吠えたから。ジョンはマーシャの愛人で、別館で彼女に会った。カニフェストの説得に失敗したことを彼女に告げ、話はこじれ、彼女の頭を叩き割った。別館から出ようとしたが、すでに雪は止んでおり、普通に出て行けば足跡が残ってしまう。足跡を掻き消しながら行くことは可能だが、時間を掛けるとまた犬に吠え立てられ、その行動を見られてしまう可能性が高い。そこで彼は小さめの靴で別館を離れ、誰かにその姿を見られるタイミングを待って再び別館へ。その際、大きめの靴で小さい足跡を踏み消した。レインジャー自身にはアリバイがあると言うがその内容は明かさず」
[8 朝食中の無味乾燥居士] 酔い潰れたレインジャーが別室へと運ばれる。モーリスの証言。「レインジャーの服に黒っぽい粉による筋状の汚れが付いている。モーリスは別館に秘密の抜け穴などないと断言。足跡を詳しく調査すると、ジョンは動揺を示す」
[9 当てにならないアリバイ] キャサリンの証言。「マーシャが階段から落ちそうになったとき、そこにいたのは彼女のほかにキャサリン、ルイーズ、レインジャー、ウィラード、モーリス。1時半に犬が吠えたとき、ジョンは帰って来なかった。そのときにキャサリンは、少し前に彼女にちょっかいを掛け誘っていたレインジャーと会ったが、彼は別の用事ができたと言っていた」
[10 死者からの電話] トムスンの証言。キャサリンの証言。ジョンが銃で自殺を図り、重傷。「3時少し過ぎに車が乗り入れる音がした。1時半に犬が吠え、本館と別館との間に人影。犬はその直後に閉じ込めた。ルイーズが錯乱していたのは3時から4時の間頃。足跡は小さい跡を、後に大きな跡で消したものではない。ジョンは心臓の弱いカニフェストを殴って殺してしまったと書き残す。ジョンは片手に銀色の三角片を握り締めていた」」
[11 乗馬鞭] H・Mの到着。ジョンの手当て。ウィラードの証言。ベネットとキャサリンとの会話。「カニフェストは命を取り留めていた。ルイーズが寝ていたキャサリンの部屋のベッドの下に鉛を詰めた乗馬鞭」
[12 H・M事件を論じる] H・Mによる尋問。ちょっとした密室講義。「0時半頃までは犬はロッカーの家の中にいたため、吠えなかった」
[13 妖婦の夫] エマリーの告白。「毒入りチョコレート事件の犯人はエマリー。結局断念せざるを得なくなったが、事件をでっち上げて宣伝に利用しようとしていた。エマリーとマーシャは夫婦。それを隠すため、彼はマーガレットという架空の妻をでっち上げていた。エマリーの車には青銅のコウノトリのラジエターキャップが付いている」
[14 別館の灰] H・M、ウィラードと事件について論じる。「別館の窓の板すだれの隙間から明かりが漏れる。別館からは暖炉の煙突を通って出入りすることは可能。グラスは意図的に砕いて散乱させられたもの」
[15 絞首刑にするための第二の計画] モーリス、レインジャーを犯人として告発。「別館で殺人を犯した犯人が、血の付いた手も洗わずに本館に戻るのは不自然。モーリスの説によると、レインジャーはマーシャを殺し、室内に隠れ、ジョンが残した大きな足跡を辿って本館へと戻った」
[16 銀色の三角片] H・M、銀色の三角片の重要性を指摘。キャサリン、ルイーズを弁護。「事件当夜のルイーズは薬の飲み過ぎで、別館まで歩いて行くのは不可能」
[17 シェード・ランプの殺人という言葉] レインジャーが首を絞められ階段から落とされて死亡。それを発見したH・M、マスターズ、ベネット、エマリー以外の者にはその事実を伏せておく。「事件当夜のレインジャーはベリルとの密会を目論んでいたが、部屋に閉じ込められることになってしまった」
[18 導入部の再演] マーシャが階段から落とされそうになった件の再現実験。階段の下にはレインジャーの死体がある。「ルイーズ、マーシャを落とそうとしたことを告白」
[19 殺人者の映像] H・Mの推理。「マーシャは本館で殺された。ジョンがその死体を運んだ」
[20 ホワイトホールの六月] H・M、ベネットとキャサリンに説明する。「マーシャ殺害の凶器はラジエターキャップ」
ヘンリー・メルヴェール卿(H・M):英国政府高官, 犯罪捜査の天才
ジェームズ・ボイントン・ベネット:その甥, 外交官
マーシャ・テート:ハリウッドの女優
カール・レインジャー:映画監督
ティム・エマリー:マーシャの宣伝係, 妻はマーガレット
モーリス・ブーン:白い僧院の当主, 歴史学者
ジョン・アシュリー・ブーン:その弟, 映画関係者
キャサリン(ケート)・ブーン:その姪
カニフェスト卿:新聞界の大物
ルイーズ・カルー:その娘で秘書
ジャーヴィス・ウィラード:舞台俳優
トムスン:白い僧院の執事
トムスン夫人:その妻
ステラ:白い僧院の女中
ベリル・サイモンズ:同
ビル・ロッカー:白い僧院の馬丁
テンペスト:白い僧院の飼い犬
カーロッタ:マーシャがロンドンに残してきた女中
ハンフリー・マスターズ:ロンドン警視庁の主席警部
チャーリー・ポッター:州警察の警部
ウィン博士:検死医
別館に一人で泊まっていた女優マーシャ・テートの死体が発見された。数時間前に他殺されたと見られるが、家の周囲にはその前夜に降った雪が薄く降り積もっており、発見者が付けたばかりのまだ新しい足跡が一組あるだけで、犯人が逃亡する際の足跡は見当たらなかった。
マーシャは実際に殺害される前に、毒入りチョコレートを贈られ、階段から突き落とされそうになっていた。
※以下反転表示部のネタバレ注意。
ミステリ史上に数ある“雪の密室”の中でも代表的な作品。作中では、的外れなものを含めて三つの解決が提示され、そのうちの二つでは足跡そのものの加工に注目しており、真相から読者の目を逸らしている。機械的なものに頼らない、このトリックと作品を江戸川乱歩は高く評価した。
積雪が薄いというのが本作のトリックを成立させる要素だが、厚い積雪でこのトリックを用いた作品は、これ以前にはなかったのなかなぁ。もしあったのなら、当時の読者がそこに気づかなかったとは思えないが。
定番パターンを用いたものの宿命として、過去の作品で用いられたトリックを一つ一つ潰していく必要がある。そこに苦心する反面、それを利用して物語を組み立てているようでもある。
雪の密室の謎を中心に据えてはいるが、それだけでは真犯人には辿り着けない。そのための手がかりがばら撒かれ、犬の吠え声も重要なポイントとなっている。車の描写という、読者が読み飛ばしそうな、一見どうでも良さそうな記述の中にも重要な手がかりが潜んでいるのはいかにもカーらしい。複数の人物の別の思惑が絡み合うことによって不可能状況を作り出す手法は、その無理を巧みに隠している。
本作ではH・Mが密室についてちょっとばかり語っているが、あるいはこれが後の「三つの棺」の密室講義へと繋がっている…?
[1 鏡の中の映像] H・Mとベネットとの初対面。マーシャに関する説明。「」
[2 弱い毒] 毒入りチョコレート事件について。「エマリーの車には銀メッキの派手なラジエターキャップが付いている。エマリーは妻マーガレットと同じくらいマーシャを愛してると語る。マーシャに贈り物としてチョコが届けられる。マーシャの知人なら彼女が甘い物を好まないことを知っているが、知人でもなければその住所を知るはずがない。レインジャー、ジョン、ウィラード、エマリー、ベネットがそれを食べ、後にエマリーはストリキニーネ中毒で倒れる。残ったチョコレートのうち、ちょっと形が潰れている一つの中から毒が検出される。致死量には達していない」
[3 <王妃の鏡>での死] <白い僧院>の別館<王妃の鏡>でマーシャの死体が見つかる。「6時を過ぎてからベネットが到着したとき、別館の前にジョンが立っており、マーシャが死んでいると告げる。別館は周囲を人工池に囲まれ、そこに通じる道は一つしかない。池には薄氷が張っており、そこも含めて、辺りにはすでに止んでいた雪が2センチほど積もっている。別館へと向かうジョンの、まだ付いたばかりの足跡が一組だけ残っている。室内にはマーシャの死体。床には砕けたグラスが散乱するなど、室内は荒れている。マッチの燃えさしが何本も落ちている」
[4 チャールズ王の階段] ウィラードが事件前夜について語る。「マーシャは一人で別館に泊まっていた。ルイーズは暗い廊下で誰かに手首を掴まれた。ジョンが住む<チャールズ二世の部屋>には、表玄関を通らずに本館の外へと出られる秘密の階段がある。何人かでその階段した際、マーシャが転落しそうになった。誰かが彼女を意図的に落とそうとした疑惑が濃厚。別館のマーシャをウィラードが訪ねると、彼女は別の誰かを待っていた様子。雪は深夜0時から2時頃まで降っていた」
[5 廊下の影] マスターズが捜査のためにやって来る。
[6 「歩いても足跡を残さない者――」] ベネットとキャサリンとの初対面。ウィン博士の見解。「キャサリン、錯乱したルイーズに首を絞められ、痣を作る。暗がりで手首を掴まれたというルイーズには血が付いていた。マーシャ殺害の凶器はまだ判明すらしていないが、キャサリンは唐突に鉛を詰めた乗馬鞭のことを口にする。マーシャの死亡推定時刻は午前3時から3時半。雪が止んだのは2時なので、殺害後に別館から脱出した犯人の足跡が残っていないのは奇妙」
[7 絞首刑にするための筋書] レインジャー、ジョンを犯人として告発する。「レインジャーの証言:マーシャには秘密の夫がいるらしい。カニフェストが劇への出資を取り止めたため、ジョンは彼に再考を求めて出かけたが失敗し、午前1時半に帰って来たという。その根拠はその時刻に犬が吠えたから。ジョンはマーシャの愛人で、別館で彼女に会った。カニフェストの説得に失敗したことを彼女に告げ、話はこじれ、彼女の頭を叩き割った。別館から出ようとしたが、すでに雪は止んでおり、普通に出て行けば足跡が残ってしまう。足跡を掻き消しながら行くことは可能だが、時間を掛けるとまた犬に吠え立てられ、その行動を見られてしまう可能性が高い。そこで彼は小さめの靴で別館を離れ、誰かにその姿を見られるタイミングを待って再び別館へ。その際、大きめの靴で小さい足跡を踏み消した。レインジャー自身にはアリバイがあると言うがその内容は明かさず」
[8 朝食中の無味乾燥居士] 酔い潰れたレインジャーが別室へと運ばれる。モーリスの証言。「レインジャーの服に黒っぽい粉による筋状の汚れが付いている。モーリスは別館に秘密の抜け穴などないと断言。足跡を詳しく調査すると、ジョンは動揺を示す」
[9 当てにならないアリバイ] キャサリンの証言。「マーシャが階段から落ちそうになったとき、そこにいたのは彼女のほかにキャサリン、ルイーズ、レインジャー、ウィラード、モーリス。1時半に犬が吠えたとき、ジョンは帰って来なかった。そのときにキャサリンは、少し前に彼女にちょっかいを掛け誘っていたレインジャーと会ったが、彼は別の用事ができたと言っていた」
[10 死者からの電話] トムスンの証言。キャサリンの証言。ジョンが銃で自殺を図り、重傷。「3時少し過ぎに車が乗り入れる音がした。1時半に犬が吠え、本館と別館との間に人影。犬はその直後に閉じ込めた。ルイーズが錯乱していたのは3時から4時の間頃。足跡は小さい跡を、後に大きな跡で消したものではない。ジョンは心臓の弱いカニフェストを殴って殺してしまったと書き残す。ジョンは片手に銀色の三角片を握り締めていた」」
[11 乗馬鞭] H・Mの到着。ジョンの手当て。ウィラードの証言。ベネットとキャサリンとの会話。「カニフェストは命を取り留めていた。ルイーズが寝ていたキャサリンの部屋のベッドの下に鉛を詰めた乗馬鞭」
[12 H・M事件を論じる] H・Mによる尋問。ちょっとした密室講義。「0時半頃までは犬はロッカーの家の中にいたため、吠えなかった」
[13 妖婦の夫] エマリーの告白。「毒入りチョコレート事件の犯人はエマリー。結局断念せざるを得なくなったが、事件をでっち上げて宣伝に利用しようとしていた。エマリーとマーシャは夫婦。それを隠すため、彼はマーガレットという架空の妻をでっち上げていた。エマリーの車には青銅のコウノトリのラジエターキャップが付いている」
[14 別館の灰] H・M、ウィラードと事件について論じる。「別館の窓の板すだれの隙間から明かりが漏れる。別館からは暖炉の煙突を通って出入りすることは可能。グラスは意図的に砕いて散乱させられたもの」
[15 絞首刑にするための第二の計画] モーリス、レインジャーを犯人として告発。「別館で殺人を犯した犯人が、血の付いた手も洗わずに本館に戻るのは不自然。モーリスの説によると、レインジャーはマーシャを殺し、室内に隠れ、ジョンが残した大きな足跡を辿って本館へと戻った」
[16 銀色の三角片] H・M、銀色の三角片の重要性を指摘。キャサリン、ルイーズを弁護。「事件当夜のルイーズは薬の飲み過ぎで、別館まで歩いて行くのは不可能」
[17 シェード・ランプの殺人という言葉] レインジャーが首を絞められ階段から落とされて死亡。それを発見したH・M、マスターズ、ベネット、エマリー以外の者にはその事実を伏せておく。「事件当夜のレインジャーはベリルとの密会を目論んでいたが、部屋に閉じ込められることになってしまった」
[18 導入部の再演] マーシャが階段から落とされそうになった件の再現実験。階段の下にはレインジャーの死体がある。「ルイーズ、マーシャを落とそうとしたことを告白」
[19 殺人者の映像] H・Mの推理。「マーシャは本館で殺された。ジョンがその死体を運んだ」
[20 ホワイトホールの六月] H・M、ベネットとキャサリンに説明する。「マーシャ殺害の凶器はラジエターキャップ」