モース警部シリーズの長編第10作。1年前から行方不明のスウェーデン人女子学生。警察に送られてきた、失踪事件について示唆する謎の詩。[???]
カリン・エリクスン:失踪したスウェーデン娘
イルマ・エリクスン:カリンの母
クレア・オズボーン:モデル・エージェンシーの女
アラン・ハーディンク:ロンズデール・カレッジ特別研究員
リン・ハーディング:アランの妻
セーラ・ハーディング:アランの娘
デービッド・マイクルズ:森林管理人
キャシー・マイクルズ:デービッドの妻
ジョージ・デイリー:庭師
マーガレット・デイリー:ジョージの妻
フィリップ・デイリー:ジョージの息子
アラスデア・マクブライド:“セカム・ビラ”の住人
ジェームズ・マイトン:ポルノ雑誌編集者
ミシェル・トンプスン:モデル・エージェンシー経営者
セリーナ:ミシェルのアシスタント
オードリー・モリス:YMCAの管理人
ハワード・フィリップスン:“タイムズ”学芸部長
ドロシー・エバンズ:エリクスン一家の知人
ジム・オケーン:“コッツウォルド・ハウス”の主人
アン・オケーン:ジムの妻
ウイリアムズ:“コム・ロッジ”の番人
マックス・プリン:病理学者
ローラ・ホブスン:マックスの部下
ストレンジ:主任警視
ハロルド・ジョンスン:主任警部
ルイス:部長刑事
モース:主任警部
警察に届いた謎の詩をきっかけに、未解決となっている1年前のスウェーデン人女子学生失踪事件に再びスポットが当てられた。
姿を消したのはカリン・エリクスン。彼女はロンドンからヒッチハイクでオックスフォードに辿り着き、そこで一両日を過ごしたと見られているが、その後の彼女の足取りは掴めなかった。死体は見つかっていないが、警察は殺人事件の可能性も考慮してした。
上司から事件を担当するように指示され、休暇を早めに切り上げたモース主任警部は、目星を付けたワイタムの森を捜索。白骨化した死体をさっそく発見する。
※以下すべて反転表示。ネタバレ注意。
モース警部シリーズももう10作目。シリーズのいくつかの作品のプロットを流用しており、分量は最大級。まさにこれまでの作品の集大成…と言うには無理があるw 思わせぶりな日記が挿入されるのも、モースが事件を引き受けるまでの焦点の定まらないダラダラした展開も、いつも通りと言えばその通りだが、やっぱキツイわw
本作のモースには何か後ろめたいところがあるのか、その言動がいつもよりは抑え目で落ち着いた印象。(事件捜査でもないのに勝手に初対面の人物のプライバシーに忍び込んだりしてるけど)
後半のジョージ・デイリー殺害にはアリバイ・トリックが使われている。それは9時45分にデイリーを射殺し、すぐに死体を彼の車に乗せ、共犯者がデイリーに変装して、10時以降に別の場所でわざと目撃され、その後に死体を遺棄するというもの。これでデイリーは10時以降に殺されたと見做され、10時以降のアリバイを持つ殺害者は安泰となる。
しかし作中ではデイリーが最後に目撃された時刻が曖昧にしか記述されておらず、二点間の距離やその移動に必要な時間などの補足情報もロクにない。殺害者の「10時ちょっと過ぎ」のアリバイがどの程度堅固なものなのか読者にはわからない。不可能性の説明があまりにも不足しており、トリックが解明されてようやく読者は詳細を知らされる。何せそのアリバイがどんなものなのかよくわかってなかったのだから、それが解明されようが感動などあろうはずもなく、「へー、そうなんだ」としか言いようがない。
トリックの出来の問題ではなく、その提示の仕方がヘタ。
容疑者のライフルが殺害に使用された形跡はなかったというトリック(?)には呆れるばかり。
本作でモースの友人が死ぬ。それはその重大さに見合った扱われ方とはとても思えない。ストーリー上の必然性もなく、その場面こそとても重いものだが、すぐに忘れ去られてしまう。あるいは後の作品への伏線かもしれない(この時点では僕はまだ読んでない)が、本作に限れば何を狙って書かれたエピソードなのかまったく理解できない。まさかその後任として若い美女を登場させたかっただけではあるまいが…。
詩人の正体についての謎はオマケ程度。
[序章] 女が自身の罪を神父に告白している。
[1] モース主任警部、休暇へ。
[2] モース、ライム・リージスにあるベイ・ホテルにチェックイン。
[3] モース、“ミセス・ハーディング”と出会う。“タイムズ”紙の記事に興味を惹かれる。
[4] “ミセス・ハーディング”は偽名の疑い。
[5] ある男の日記からの抜粋。
[6] モースから“ミセス・ハーディング”への手紙に返信。
[7] “タイムズ”紙に掲載された詩。未解決となっている、スウェーデン人女子学生(カリン・エリクスン)の失踪事件について示唆するもの。
[8] ある男の日記からの抜粋。
[9] “ミセス・ハーディング”こと、クレア・オズボーンとモースとの語らい。
[10] ストレンジ主任警視、カリン失踪事件の再捜査をジョンスン主任警部に命じる。
[11] カリン失踪事件の概略。彼女の足取り。
[12] カリン失踪事件の概略の続き。7月9日、庭師のジョージ・デイリーが散歩中に彼女の遺留品であるリュックサックを発見。その中にはカメラ。撮影済みのフィルムが入っていたが、それは焼却した。彼の妻・マーガレットの働きにより、カリンの遺失物は警察の手に渡る。
[13] カリン失踪事件の捜査にはモースもわずかに関わっていた。彼のメモ。「(a)ジョージ・デイリーや彼の妻は自分のカメラを持っていたか? (b)7月9日(火)の天気は? (c)“縞が入っている。ZE+パンティーは?”(5字) (d)“デンドロコプス・マイナー”の生息地は? (e)“ロイヤル・サン”(あるいは“ホワイト・ハート”)ではどんなビールを出すか? (f)犬の名前は?」 (f)の回答はマイクロフト。モースはワイタムの森を捜索すべきと言っていた。ブレニムの捜索に力を入れていたジョンスンにしても捜索範囲の拡大には賛成で、それを求めたが、人手不足のために却下された。
[14] “タイムズ”紙に掲載された詩の分析。
[15] モースのメモについての回答。「(b):乾燥、晴天、華氏72度から74度、天気安定、夜間に霧発生の可能性あり。(c):Zebra。(d):それは鳥の名で、森林か公園。ワイタムにも生息。
[16] モース、ルイス宛に葉書を送る。詩の意味がわかったと書かれている。
[17] ある男の日記からの抜粋。
[18] クレア、“コッツウォルド・ハウス”にチェックイン。窓の外を歩くモースを見かけた。アラン・ハーディング、到着。
[19] “タイムズ”紙の投書欄。多くの素人探偵が詩の解釈に挑戦している。
[20] オケーン夫妻、新聞に掲載されたカリンの写真を見る。1年前に宿泊した娘のような気がする。
[21] クレア、モースの自宅を訪ねる。彼女の住所を用いて新聞に投書したことを追及。
[22] “タイムズ”に掲載された投書。「ワイタム」いう言葉が隠されていると指摘。
[23] クレア失踪事件がジョンスンからモースへと引き継がれる。
[24] モース、ワイタムの森へ。森林管理人のデービッド・マイクルズから、死体を隠すのに適した場所の情報を得る。
[25] ワイタムの森で人骨が見つかる。
[26] 警察医マックス、死体発見現場に到着。
[27] モース、次の作戦を検討。
[28] モースとルイス、デイリー宅を訪問。ゴミ焼却や玄関に無造作に置かれたライフルについてなど、ルイスは違法行為を指摘。教師の話によると、フィリップ・デイリーは模範的学生ではないらしい。
[29] モース、デイリー宅を再訪。フィルムをすぐに焼き捨てたという嘘を暴き、それを現像した写真12枚のうち、7枚を入手。モースが去った後、マーガレットは残りの5枚(カリンの挑発的な裸・半裸体が写ったもの)を処分。
[30] マックス、冠状動脈血栓症で入院。
[31] 盗難車に撥ねられた少女が死亡。
[32] モース、マックスとの最後の面会。ワイタムの森で発見された人骨は男のもの。その死体の主はカリンではないと判明。
[33] 若者たちの暴走行為が大きな社会問題となっている。
[34] モース、写真に写っていた家“セカム・ビラ”に到着。そこの住人・アラスデア・マクブライドに、その前に住んでいた人物について尋ねるが、会ったこともないという。
[35] モース、不動産屋を訪ね、1年前に“セカム・ビラ”に住んでいた人物の名がアラスデア・マクブライドであると知る。すぐに“セカム・ビラ”に引き返したが、既にマクブライドの姿はなかった。
[36] “セカム・ビラ”の捜索。ポルノ撮影スタジオらしき様子。客のリストを見つける。ジョージ・デイリーやアラン・ハーディングの名が並んでいる。女の写真もある。その中の一つにはクレアが写っている。
[37] モース、マックスの肝臓について考える。
[38] ルイス、スウェーデンに入国し、カリンの生家へ。彼女の母イルマ・エリクスンと面会。カリンは三姉妹の一人。ルイス、三人が写る写真を借りる。
[39] モース、ハーディングと面会。ハーディングたちは“セカム・ビラ”でしばしば女の撮影会を行なっていた。写真に写った男はジェームズ・マイトン。何でも屋のような人物。ハーディングはクレアを愛している。
[40] ワイタムの森の中から男が何かを持ち去る。
[41] カリンの足取りの一部が判明。彼女はカネで体を売らなかった。
[42] 少女を撥ねた暴走車の運転手たちに捜査の手が迫る。
[43] マーガレット、自身の罪を神父に告白。
[44] モース、マイクルズに会いに行くが、何かを思いつき、挨拶だけですぐに引き返す。
[45] キャシー・マイクルズが出演するオペラ「ミカド」の準備は順調。
[46] モース、マクブライドについての情報を求める記事を新聞に掲載させる。
[47] モース、カリンについての彼の見解の正しさを確かめる。
[48] 「ミカド」が開演。
[49] マイクルズの車が走り出し、警官が尾行。不仲のモースとジョンスンが和解。
[50] ワイタムの森で見つかった死体がマイトンのものであることが確認される。「ミカド」の第二夜。初日には観客席に着いていた夫がそこに現れなかったのを、舞台上からキャシーは見ていた。
[51] ハーディングの供述。“セカム・ビラ”での撮影会。マクブライド、デイリー、マイクルズ、マイトン、ハーディングが集まった。マイトンはモデルとしてカリンを連れて来たが、話に誤解があったのか、彼女は皆の前での撮影は拒否。カメラマンであるマイトンと室内で二人きりでの撮影ということになった。30分後、異変に気づき撮影部屋に入った他の者たちは、倒れた裸のカリンと、脇腹から流血し座り込んだマイトンを見た。カリンは既に死んでおり、マイトンもすぐに死んだ。欲情に駆られてマイトンがカリンに襲い掛かったが、彼女もナイフで反撃し、両者ともに死んだらしい。残った者たちは保身のため、マイトンの死体をワイタムの森に捨て、カリンの死体をブレニムの湖に沈め、事件を隠匿した。ハーディングは死体を遺棄した場所を知らない。
[52] ルイスの疑問。なぜカリンのリュックをデイリーは近場に捨てたのか? なぜマイクルズは死体遺棄するに適した場所を問われて、実際に遺棄した場所を答えたのか? 後者の答え。マイクルズは死体が遺棄された場所を知らなかった。
[53] ジョンスン、ブレニムを捜索。デイリーの車と彼の射殺体を見つける。
[54] カリンとは数年間会っていないというドロシー・エバンズ、口を滑らせる。
[55] モース、デイリーの死体発見現場に到着。彼の命を奪った銃弾は、その体を貫通している。死亡推定時刻は10時間前、午前10時前後。
[56] マイクルズ、所有するライフルを警察に提出。
[57] マクブライド、オックスフォード市内を自由に歩き回っている。キャシー、染めた髪の根本にわずかにブロンドが見え始めている。
[58] マイクルズ、ハーディングの供述内容を事実であると認める。マイクルズのライフルには犯行に用いられた形跡なし。
[59] マーガレットの供述。デイリーが保有していたカリンのリュックをフィリップが見つけ、カメラを取り、フィルムを現像した。
[60] フィリップは行方知れず。マイクルズは未だに拘留中。
[61] モースには自信があった。「犯人は警察に死体を捜させたいのだ。今も生きている人物ではなく」
[62] モース、キャシーを訪ねる。スウェーデン大使館から取り寄せた、「カタリナ・アダムズ」と記載されたパスポートのコピーを見せる。キャシー、自身がカリンの姉カタリナであると認める。モース、それを否定する。キャシー、逮捕される。
[63] キャシーの供述。
[64] デイリー殺害の弾丸は未だに発見されず。フィリップ、走行中の電車の前に飛び込み、死亡。デイリー殺害についてはアリバイあり。
[65] ウイリアムズ、デイリーが運転する車を見たと証言していたが、モースに指摘され、その人物がデイリーの帽子を被った別人であったかもしれないと認める。
[66] マイクルズのオフィス小屋付近の捜索。
[67] デイリーの車から、彼以外の人物の指紋が見つかる。
[68] デイリーは体が小さく、体重も軽かった。
[69] 詩の送り主が手紙を書いている。
[エピローグ] “タイムズ”誌に、事件解決への協力に対する感謝の投書が掲載される。
カリン・エリクスン:失踪したスウェーデン娘
イルマ・エリクスン:カリンの母
クレア・オズボーン:モデル・エージェンシーの女
アラン・ハーディンク:ロンズデール・カレッジ特別研究員
リン・ハーディング:アランの妻
セーラ・ハーディング:アランの娘
デービッド・マイクルズ:森林管理人
キャシー・マイクルズ:デービッドの妻
ジョージ・デイリー:庭師
マーガレット・デイリー:ジョージの妻
フィリップ・デイリー:ジョージの息子
アラスデア・マクブライド:“セカム・ビラ”の住人
ジェームズ・マイトン:ポルノ雑誌編集者
ミシェル・トンプスン:モデル・エージェンシー経営者
セリーナ:ミシェルのアシスタント
オードリー・モリス:YMCAの管理人
ハワード・フィリップスン:“タイムズ”学芸部長
ドロシー・エバンズ:エリクスン一家の知人
ジム・オケーン:“コッツウォルド・ハウス”の主人
アン・オケーン:ジムの妻
ウイリアムズ:“コム・ロッジ”の番人
マックス・プリン:病理学者
ローラ・ホブスン:マックスの部下
ストレンジ:主任警視
ハロルド・ジョンスン:主任警部
ルイス:部長刑事
モース:主任警部
警察に届いた謎の詩をきっかけに、未解決となっている1年前のスウェーデン人女子学生失踪事件に再びスポットが当てられた。
姿を消したのはカリン・エリクスン。彼女はロンドンからヒッチハイクでオックスフォードに辿り着き、そこで一両日を過ごしたと見られているが、その後の彼女の足取りは掴めなかった。死体は見つかっていないが、警察は殺人事件の可能性も考慮してした。
上司から事件を担当するように指示され、休暇を早めに切り上げたモース主任警部は、目星を付けたワイタムの森を捜索。白骨化した死体をさっそく発見する。
※以下すべて反転表示。ネタバレ注意。
モース警部シリーズももう10作目。シリーズのいくつかの作品のプロットを流用しており、分量は最大級。まさにこれまでの作品の集大成…と言うには無理があるw 思わせぶりな日記が挿入されるのも、モースが事件を引き受けるまでの焦点の定まらないダラダラした展開も、いつも通りと言えばその通りだが、やっぱキツイわw
本作のモースには何か後ろめたいところがあるのか、その言動がいつもよりは抑え目で落ち着いた印象。(事件捜査でもないのに勝手に初対面の人物のプライバシーに忍び込んだりしてるけど)
後半のジョージ・デイリー殺害にはアリバイ・トリックが使われている。それは9時45分にデイリーを射殺し、すぐに死体を彼の車に乗せ、共犯者がデイリーに変装して、10時以降に別の場所でわざと目撃され、その後に死体を遺棄するというもの。これでデイリーは10時以降に殺されたと見做され、10時以降のアリバイを持つ殺害者は安泰となる。
しかし作中ではデイリーが最後に目撃された時刻が曖昧にしか記述されておらず、二点間の距離やその移動に必要な時間などの補足情報もロクにない。殺害者の「10時ちょっと過ぎ」のアリバイがどの程度堅固なものなのか読者にはわからない。不可能性の説明があまりにも不足しており、トリックが解明されてようやく読者は詳細を知らされる。何せそのアリバイがどんなものなのかよくわかってなかったのだから、それが解明されようが感動などあろうはずもなく、「へー、そうなんだ」としか言いようがない。
トリックの出来の問題ではなく、その提示の仕方がヘタ。
容疑者のライフルが殺害に使用された形跡はなかったというトリック(?)には呆れるばかり。
本作でモースの友人が死ぬ。それはその重大さに見合った扱われ方とはとても思えない。ストーリー上の必然性もなく、その場面こそとても重いものだが、すぐに忘れ去られてしまう。あるいは後の作品への伏線かもしれない(この時点では僕はまだ読んでない)が、本作に限れば何を狙って書かれたエピソードなのかまったく理解できない。まさかその後任として若い美女を登場させたかっただけではあるまいが…。
詩人の正体についての謎はオマケ程度。
[序章] 女が自身の罪を神父に告白している。
[1] モース主任警部、休暇へ。
[2] モース、ライム・リージスにあるベイ・ホテルにチェックイン。
[3] モース、“ミセス・ハーディング”と出会う。“タイムズ”紙の記事に興味を惹かれる。
[4] “ミセス・ハーディング”は偽名の疑い。
[5] ある男の日記からの抜粋。
[6] モースから“ミセス・ハーディング”への手紙に返信。
[7] “タイムズ”紙に掲載された詩。未解決となっている、スウェーデン人女子学生(カリン・エリクスン)の失踪事件について示唆するもの。
[8] ある男の日記からの抜粋。
[9] “ミセス・ハーディング”こと、クレア・オズボーンとモースとの語らい。
[10] ストレンジ主任警視、カリン失踪事件の再捜査をジョンスン主任警部に命じる。
[11] カリン失踪事件の概略。彼女の足取り。
[12] カリン失踪事件の概略の続き。7月9日、庭師のジョージ・デイリーが散歩中に彼女の遺留品であるリュックサックを発見。その中にはカメラ。撮影済みのフィルムが入っていたが、それは焼却した。彼の妻・マーガレットの働きにより、カリンの遺失物は警察の手に渡る。
[13] カリン失踪事件の捜査にはモースもわずかに関わっていた。彼のメモ。「(a)ジョージ・デイリーや彼の妻は自分のカメラを持っていたか? (b)7月9日(火)の天気は? (c)“縞が入っている。ZE+パンティーは?”(5字) (d)“デンドロコプス・マイナー”の生息地は? (e)“ロイヤル・サン”(あるいは“ホワイト・ハート”)ではどんなビールを出すか? (f)犬の名前は?」 (f)の回答はマイクロフト。モースはワイタムの森を捜索すべきと言っていた。ブレニムの捜索に力を入れていたジョンスンにしても捜索範囲の拡大には賛成で、それを求めたが、人手不足のために却下された。
[14] “タイムズ”紙に掲載された詩の分析。
[15] モースのメモについての回答。「(b):乾燥、晴天、華氏72度から74度、天気安定、夜間に霧発生の可能性あり。(c):Zebra。(d):それは鳥の名で、森林か公園。ワイタムにも生息。
[16] モース、ルイス宛に葉書を送る。詩の意味がわかったと書かれている。
[17] ある男の日記からの抜粋。
[18] クレア、“コッツウォルド・ハウス”にチェックイン。窓の外を歩くモースを見かけた。アラン・ハーディング、到着。
[19] “タイムズ”紙の投書欄。多くの素人探偵が詩の解釈に挑戦している。
[20] オケーン夫妻、新聞に掲載されたカリンの写真を見る。1年前に宿泊した娘のような気がする。
[21] クレア、モースの自宅を訪ねる。彼女の住所を用いて新聞に投書したことを追及。
[22] “タイムズ”に掲載された投書。「ワイタム」いう言葉が隠されていると指摘。
[23] クレア失踪事件がジョンスンからモースへと引き継がれる。
[24] モース、ワイタムの森へ。森林管理人のデービッド・マイクルズから、死体を隠すのに適した場所の情報を得る。
[25] ワイタムの森で人骨が見つかる。
[26] 警察医マックス、死体発見現場に到着。
[27] モース、次の作戦を検討。
[28] モースとルイス、デイリー宅を訪問。ゴミ焼却や玄関に無造作に置かれたライフルについてなど、ルイスは違法行為を指摘。教師の話によると、フィリップ・デイリーは模範的学生ではないらしい。
[29] モース、デイリー宅を再訪。フィルムをすぐに焼き捨てたという嘘を暴き、それを現像した写真12枚のうち、7枚を入手。モースが去った後、マーガレットは残りの5枚(カリンの挑発的な裸・半裸体が写ったもの)を処分。
[30] マックス、冠状動脈血栓症で入院。
[31] 盗難車に撥ねられた少女が死亡。
[32] モース、マックスとの最後の面会。ワイタムの森で発見された人骨は男のもの。その死体の主はカリンではないと判明。
[33] 若者たちの暴走行為が大きな社会問題となっている。
[34] モース、写真に写っていた家“セカム・ビラ”に到着。そこの住人・アラスデア・マクブライドに、その前に住んでいた人物について尋ねるが、会ったこともないという。
[35] モース、不動産屋を訪ね、1年前に“セカム・ビラ”に住んでいた人物の名がアラスデア・マクブライドであると知る。すぐに“セカム・ビラ”に引き返したが、既にマクブライドの姿はなかった。
[36] “セカム・ビラ”の捜索。ポルノ撮影スタジオらしき様子。客のリストを見つける。ジョージ・デイリーやアラン・ハーディングの名が並んでいる。女の写真もある。その中の一つにはクレアが写っている。
[37] モース、マックスの肝臓について考える。
[38] ルイス、スウェーデンに入国し、カリンの生家へ。彼女の母イルマ・エリクスンと面会。カリンは三姉妹の一人。ルイス、三人が写る写真を借りる。
[39] モース、ハーディングと面会。ハーディングたちは“セカム・ビラ”でしばしば女の撮影会を行なっていた。写真に写った男はジェームズ・マイトン。何でも屋のような人物。ハーディングはクレアを愛している。
[40] ワイタムの森の中から男が何かを持ち去る。
[41] カリンの足取りの一部が判明。彼女はカネで体を売らなかった。
[42] 少女を撥ねた暴走車の運転手たちに捜査の手が迫る。
[43] マーガレット、自身の罪を神父に告白。
[44] モース、マイクルズに会いに行くが、何かを思いつき、挨拶だけですぐに引き返す。
[45] キャシー・マイクルズが出演するオペラ「ミカド」の準備は順調。
[46] モース、マクブライドについての情報を求める記事を新聞に掲載させる。
[47] モース、カリンについての彼の見解の正しさを確かめる。
[48] 「ミカド」が開演。
[49] マイクルズの車が走り出し、警官が尾行。不仲のモースとジョンスンが和解。
[50] ワイタムの森で見つかった死体がマイトンのものであることが確認される。「ミカド」の第二夜。初日には観客席に着いていた夫がそこに現れなかったのを、舞台上からキャシーは見ていた。
[51] ハーディングの供述。“セカム・ビラ”での撮影会。マクブライド、デイリー、マイクルズ、マイトン、ハーディングが集まった。マイトンはモデルとしてカリンを連れて来たが、話に誤解があったのか、彼女は皆の前での撮影は拒否。カメラマンであるマイトンと室内で二人きりでの撮影ということになった。30分後、異変に気づき撮影部屋に入った他の者たちは、倒れた裸のカリンと、脇腹から流血し座り込んだマイトンを見た。カリンは既に死んでおり、マイトンもすぐに死んだ。欲情に駆られてマイトンがカリンに襲い掛かったが、彼女もナイフで反撃し、両者ともに死んだらしい。残った者たちは保身のため、マイトンの死体をワイタムの森に捨て、カリンの死体をブレニムの湖に沈め、事件を隠匿した。ハーディングは死体を遺棄した場所を知らない。
[52] ルイスの疑問。なぜカリンのリュックをデイリーは近場に捨てたのか? なぜマイクルズは死体遺棄するに適した場所を問われて、実際に遺棄した場所を答えたのか? 後者の答え。マイクルズは死体が遺棄された場所を知らなかった。
[53] ジョンスン、ブレニムを捜索。デイリーの車と彼の射殺体を見つける。
[54] カリンとは数年間会っていないというドロシー・エバンズ、口を滑らせる。
[55] モース、デイリーの死体発見現場に到着。彼の命を奪った銃弾は、その体を貫通している。死亡推定時刻は10時間前、午前10時前後。
[56] マイクルズ、所有するライフルを警察に提出。
[57] マクブライド、オックスフォード市内を自由に歩き回っている。キャシー、染めた髪の根本にわずかにブロンドが見え始めている。
[58] マイクルズ、ハーディングの供述内容を事実であると認める。マイクルズのライフルには犯行に用いられた形跡なし。
[59] マーガレットの供述。デイリーが保有していたカリンのリュックをフィリップが見つけ、カメラを取り、フィルムを現像した。
[60] フィリップは行方知れず。マイクルズは未だに拘留中。
[61] モースには自信があった。「犯人は警察に死体を捜させたいのだ。今も生きている人物ではなく」
[62] モース、キャシーを訪ねる。スウェーデン大使館から取り寄せた、「カタリナ・アダムズ」と記載されたパスポートのコピーを見せる。キャシー、自身がカリンの姉カタリナであると認める。モース、それを否定する。キャシー、逮捕される。
[63] キャシーの供述。
[64] デイリー殺害の弾丸は未だに発見されず。フィリップ、走行中の電車の前に飛び込み、死亡。デイリー殺害についてはアリバイあり。
[65] ウイリアムズ、デイリーが運転する車を見たと証言していたが、モースに指摘され、その人物がデイリーの帽子を被った別人であったかもしれないと認める。
[66] マイクルズのオフィス小屋付近の捜索。
[67] デイリーの車から、彼以外の人物の指紋が見つかる。
[68] デイリーは体が小さく、体重も軽かった。
[69] 詩の送り主が手紙を書いている。
[エピローグ] “タイムズ”誌に、事件解決への協力に対する感謝の投書が掲載される。