旅行中の四人組の女、“未亡人”たち。その中の一人が服毒して死亡。その原因である薬は別の女から貰ったもの。毒はどちらの女を狙ったものなのか? 事件の裏に別の詐欺事件の影。[??]
ロビン・ニコル:主人公
シャーロット・バーバー:一人旅の娘
アマンダ・ハウレット:“未亡人”たち
ヘレン・バスウエル:同
キャロライン・マクフィー:同
デアドリー・ブレア:同
ジェイク・ハウレット:“未亡人”の夫たち
エドワード・バスウエル:同
アンガス・マクフィー:同
マイケル・クローリー:ヘレンの息子
キャメロン夫妻:ホテルの経営者
アンディ・マクニール:ホテルのポーター
ウォータストン:地方検察官
ネス:警視
休暇旅行中のロビン・ニコルはたまたま四人組の女――“未亡人”たち――と知り合った。彼女たちの中の一人、アマンダ・ハウレットには何か後ろ暗いところがありそうだった。
“未亡人”たちの中の一人、キャロライン・マクフィーは騙されやすく、何度も詐欺師に引っ掛かっているという。そんな彼女が服毒死した。
彼女は船は苦手らしく、酔い止めの薬を飲んでいた。そしてその薬も不足してしまい、ヘレン・バスウエルから薬を分けてもらっていた。
これは自殺なのか他殺なのか? もし他殺だとすれば、犯人はヘレン殺害を狙い、誤ってキャロラインを殺すことになってしまったのか? あるいは最初からキャロラインを狙った殺人?
※以下すべて反転表示。ネタバレ注意。
物語はロビン・ニコルの視点で進行する。偏見かもしれないが、四人の年配女性に囲まれた初対面の若いカップルのちょっとしたロマンスが、いかにも女流作家の手によるものという印象w じっくり腰を据えて推理するようなタイプではなく、軽々とストーリーは転がっていく、コージー・ミステリ。これは実に悲劇的な話であるのだが、読後にそのような印象はまったく残らず、実に爽やか。考え方によっては、その爽やかさが残酷ですらある。
事件が始まるまでに3分の1ほどのページが費やされるが、そこまではちょっとダルい。しかし最後まで読めば、無駄な場面はあまりなく、多くのデータが提示されている。もっともそのほとんどは本筋ではないレッド・ヘリング的な枝葉の話に関わるものなのだが。ハウレット夫妻の“悪事”などは完全に枝葉。枝葉を切り払ってしまえば、ヘレンがキャロラインに薬を分け与えることになった場面だけが残るw
「ヘレンがキャロラインに薬を分け与えたことはロビンとシャーロット、そして“未亡人”たちの皆が知っている。だから、もし殺人犯がその中にいるとしたら、そしてヘレンを狙っていたのだとしたら、その薬がキャロラインに渡ったのを放置しているはずがない」というのが本作の重要な点となっている。と言うか、その点だけが問題で、残りは装飾だw
この殺人事件は状況を見れば、ヘレンがキャロラインを狙ったのか、あるいは別の目的で所持していた毒物をうっかり渡してしまったと考えるのがもっともシンプルであろうが、作中ではその点があまり考慮されないのが不思議。
冷めた目で見ると、偶然が過ぎるように思える。写真の中のヘレンの夫エドワードが自分を騙した詐欺師であると気づいたキャロラインが殺されたのは、エドワードの意図によってではなく、そこに誤算が生じた結果の、たまたまの出来事。彼にとっては幸か不幸か、妻の殺害という目的は果たせなかったが、そのおかげで、彼にとって致命的となりかねない人物の口を塞いだことになる。
疑問点。もし狙い通りにヘレンを殺害した場合も、当然、その夫エドワードは島にやって来ることになっただろう。その場合はキャサリンが生存しているのだから、彼は彼女と顔を合わせることになる。写真で気づかれるくらいだから、直接顔を合わせたら確実にその正体はバレる。まさかその点をまったくエドワードが考慮していなかったとは考えづらい。殺人についてはアリバイがあるから、詐欺師とバレても構わないという計画だったなんてのも無茶過ぎるし。
[1] 空港。女が何かに怯えた様子。男「俺はまだ誰にも気づかれていない。これが片付くまで、絶対に気づかれないように気をつけるさ」 女「笑いごとじゃないでしょ。私たち、破滅するかもしれないのに」 ロビン・ニコル、飛行機に乗る。偶然にも隣席には先ほど目撃した女(アマンダ・ハウレット)。
[2] 島に到着。アマンダ、飛行機を降り、友人たちと再会。ヘレン・バスウエル、夫エドワードの写真をキャロライン・マクフィーに見せる。ヘレン「あまり写りは良くないのよ。写真を撮られるのを嫌がるから、こっそり撮ったんだけど」 キャロライン「んまあ、素敵な人じゃない!」 アマンダ「眼鏡がなきゃ何も見えないくせに。老眼鏡を掛けて、ちゃんと見なさいよ」 ロビン、またもや彼女たちを見かける。彼女たちは四人目の女――デアドリー・ブレア――と合流している。ロビン、シャーロット・バーバーと知り合う。
[3] ロビンは“未亡人”たちと知り合っている。彼女たちは本物の未亡人ではない。キャロラインは詐欺師に引っ掛かりやすい。キャロライン「ジェイク・ハウレットの本が映画になるの。それでジェイクとアマンダは大急ぎで海外に引っ越さなきゃならなかったのよ。そうしないとほとんど税金で取られちゃうから」 デアドリー「いいえ、私は結婚したことがないの。仲間外れになるのが嫌だっただけ」シャーロットは本物の未亡人。
[4] キャロライン「もううちに帰る分しか酔い止め残ってないんだから」 ヘレン「私のを飲む? マイケルが私に処方してくれる薬なの」
[5] デアドリーはロビンをキャロラインを引っ掛けようとしている詐欺師か、彼女を護るために送り込まれた探偵かと疑っていた。
[6] キャロライン、夫から電報があったと話し、急ぎ帰宅しようとしている。シャーロットも帰宅したいと言い出す。アマンダ「キャロラインはどうしたんだと思う?」 ヘレン「一昨日の夜に私の部屋に来たときはいつも通りだったわ」 デアドリー「もし、いつも通り詐欺の泥沼に嵌り込んだことを昨日、誰かに知らされて、今日はアンガス(・マクフィー)から電報で、全部知ってるから家に帰れって言われたなら筋が通るわね?」 悲鳴。キャロラインが自室で死んでいる。
[7] ヘレン「自殺じゃないわ。私のせい」 キャロラインが受け取った電報。「スグカエレ ゼンブ オミトオシダ アンガス」
[8] ロビン「バスウエル夫人はどこ?」 シャーロット「寝込んでる。マクフィー夫人が酔い止めの薬と間違えて毒を飲んでしまったっていう説が出てて。バスウエル夫人の話じゃ、アイオーナ島に行く前の晩に自分の薬を一錠あげたって言うんだけど、毒が入っていたのはその薬に違いないって。バスウエル夫人は誰かが自分に毒を飲まそうしたと思って、きっとそれで泣いてるのよ」
[9] シャーロットはアンガスの依頼でキャロラインを見張っていた。
[10] ロビン、アマンダとその夫がキャロラインを何度も引っ掛けている詐欺師一味ではないかという疑いを、彼女にぶつける。ロビンの追及に彼女は何か不安そうな反応を示したが、詐欺についてはさほど気にしていない様子。ウォータストン検察官「錠剤について、バスウエル夫人は、自分の錠剤の残りを全部、下水に流して、一錠も残ってないと言うんです。夫人はなぜか息子さんが毒を処方したと思い込んでいて、必至に庇ってるんです」
[11] デアドリー「私はよくこのちっちゃい機械(補聴器)にうんざりしてスイッチを切るの。たまに自分一人の世界に引き籠ると、ずいぶん心が休まるの」 ヘレンは財産家。彼女が死ぬと、その遺産は夫と息子に等分される。ロビン「とにかく彼女は恐れている。ご主人を、息子さんを。それでもクローリーを庇おうと必死みたいですが。地方検察官の話じゃ、バスウエル夫人は薬の残りを全部捨てた上で、普通の売薬だと言い張ったらしい。でも、バスウエル夫人は僕らに、あれはクローリーが処方した薬だと言ったんですから」 デアドリー「そう言ったの?」 ロビン「そう。そして、クローリーはバスウエル夫人がここに来る直前にそうしたことをあっさり認めてる」 デアドリー「それじゃ、ご主人がどうやって毒薬を仕込めたのか見当もつかないわね。もう旅行に行ってたんだから」 ロビン、アマンダが部屋に飾っていた写真の男を見かける。それが彼女の夫かと思っていたロビンは、それがエドワード・バスウエルと知り、驚く。
[12] ロビン「エドワード・バスウエルが奥さんを殺して遺産を取ろうとしたんだと思う。彼はハウレット夫人を共犯に抱き込んで、自分がゴルフ旅行に行っている間に、ハウレット夫人に奥さんの薬の筒に毒入りのやつを入れさせた。写真を僕に見られたのは大失敗だったんだよ」 シャーロット「いいえ、違うわ。あなたにわざと見せたのよ。ハウレット夫人が何の理由もなく、そんな写真をあなたに見せるなんて信じられない」 シャーロット「バスウエル夫人がマクフィー夫人に薬を渡したことは私たち全員が知ってるわよね?」 ロビン、マイケルを尾行。
[13] ロビン、ジェイク・ハウレットと会う。ジェイク「英国に住んでて税金を払うのは俺だから、今、ここにいるのが見つかると、税金を払わなけりゃならないんだ」 マイケルとジェイクは、ヘレンの再婚相手が、かつて妻殺しの容疑を掛けられたトーシルという人物であることを知り、その対応に腐心していた。
[14] ロビン「それじゃマクフィー夫人は、このホテルでコペンハーゲンの詐欺師を見つけたと思ったんじゃないかな?」 ロビンは、マクフィー夫人が酔い止めを分けてもらうためにバスウエル夫人と二階に上がってから起きたであろう光景を思い浮かべた。二人がバスウエル夫人の部屋に入った。マクフィー夫人は貰った薬を確かめようと眼鏡を掛けた。そのとき、エドワードの写真をちゃんと見てしまった。そこにあったのは自分をコペンハーゲンで騙した詐欺師の顔だった。どうしたらいいのかわからず、夫に相談しようと電話したが、あまりに込み入った話なので、上手く伝えられず、帰宅してじっくり話すことにする。急な帰宅の理由を他の“未亡人”たちに説明できるはずもなく、そのための適当な理由として、自分を呼び戻すような電報を打ってくれと夫に頼んだ。
[15] 行方不明のシャーロットは既に島を出ていた。警察が尾行している。ロビン「シャーロットは、バスウエル夫人がマクフィー夫人に酔い止めを渡すことは全員が知っていたんだから、このホテルで毒が入れられたはずはないと言ったんだ。違う人が毒を飲むのを、殺人者が傍観してるわけがないんだから。もちろん、最初から狙いがマクフィー夫人だったなら話は別だ…」 「たぶん、急に気づいたんだ。僕たち全員が知っていたという前提が、間違いだったと」 悲鳴。エドワード、服毒死。
[16] シャーロット、犯行現場を警察に押さえられる。
ロビン・ニコル:主人公
シャーロット・バーバー:一人旅の娘
アマンダ・ハウレット:“未亡人”たち
ヘレン・バスウエル:同
キャロライン・マクフィー:同
デアドリー・ブレア:同
ジェイク・ハウレット:“未亡人”の夫たち
エドワード・バスウエル:同
アンガス・マクフィー:同
マイケル・クローリー:ヘレンの息子
キャメロン夫妻:ホテルの経営者
アンディ・マクニール:ホテルのポーター
ウォータストン:地方検察官
ネス:警視
休暇旅行中のロビン・ニコルはたまたま四人組の女――“未亡人”たち――と知り合った。彼女たちの中の一人、アマンダ・ハウレットには何か後ろ暗いところがありそうだった。
“未亡人”たちの中の一人、キャロライン・マクフィーは騙されやすく、何度も詐欺師に引っ掛かっているという。そんな彼女が服毒死した。
彼女は船は苦手らしく、酔い止めの薬を飲んでいた。そしてその薬も不足してしまい、ヘレン・バスウエルから薬を分けてもらっていた。
これは自殺なのか他殺なのか? もし他殺だとすれば、犯人はヘレン殺害を狙い、誤ってキャロラインを殺すことになってしまったのか? あるいは最初からキャロラインを狙った殺人?
※以下すべて反転表示。ネタバレ注意。
物語はロビン・ニコルの視点で進行する。偏見かもしれないが、四人の年配女性に囲まれた初対面の若いカップルのちょっとしたロマンスが、いかにも女流作家の手によるものという印象w じっくり腰を据えて推理するようなタイプではなく、軽々とストーリーは転がっていく、コージー・ミステリ。これは実に悲劇的な話であるのだが、読後にそのような印象はまったく残らず、実に爽やか。考え方によっては、その爽やかさが残酷ですらある。
事件が始まるまでに3分の1ほどのページが費やされるが、そこまではちょっとダルい。しかし最後まで読めば、無駄な場面はあまりなく、多くのデータが提示されている。もっともそのほとんどは本筋ではないレッド・ヘリング的な枝葉の話に関わるものなのだが。ハウレット夫妻の“悪事”などは完全に枝葉。枝葉を切り払ってしまえば、ヘレンがキャロラインに薬を分け与えることになった場面だけが残るw
「ヘレンがキャロラインに薬を分け与えたことはロビンとシャーロット、そして“未亡人”たちの皆が知っている。だから、もし殺人犯がその中にいるとしたら、そしてヘレンを狙っていたのだとしたら、その薬がキャロラインに渡ったのを放置しているはずがない」というのが本作の重要な点となっている。と言うか、その点だけが問題で、残りは装飾だw
この殺人事件は状況を見れば、ヘレンがキャロラインを狙ったのか、あるいは別の目的で所持していた毒物をうっかり渡してしまったと考えるのがもっともシンプルであろうが、作中ではその点があまり考慮されないのが不思議。
冷めた目で見ると、偶然が過ぎるように思える。写真の中のヘレンの夫エドワードが自分を騙した詐欺師であると気づいたキャロラインが殺されたのは、エドワードの意図によってではなく、そこに誤算が生じた結果の、たまたまの出来事。彼にとっては幸か不幸か、妻の殺害という目的は果たせなかったが、そのおかげで、彼にとって致命的となりかねない人物の口を塞いだことになる。
疑問点。もし狙い通りにヘレンを殺害した場合も、当然、その夫エドワードは島にやって来ることになっただろう。その場合はキャサリンが生存しているのだから、彼は彼女と顔を合わせることになる。写真で気づかれるくらいだから、直接顔を合わせたら確実にその正体はバレる。まさかその点をまったくエドワードが考慮していなかったとは考えづらい。殺人についてはアリバイがあるから、詐欺師とバレても構わないという計画だったなんてのも無茶過ぎるし。
[1] 空港。女が何かに怯えた様子。男「俺はまだ誰にも気づかれていない。これが片付くまで、絶対に気づかれないように気をつけるさ」 女「笑いごとじゃないでしょ。私たち、破滅するかもしれないのに」 ロビン・ニコル、飛行機に乗る。偶然にも隣席には先ほど目撃した女(アマンダ・ハウレット)。
[2] 島に到着。アマンダ、飛行機を降り、友人たちと再会。ヘレン・バスウエル、夫エドワードの写真をキャロライン・マクフィーに見せる。ヘレン「あまり写りは良くないのよ。写真を撮られるのを嫌がるから、こっそり撮ったんだけど」 キャロライン「んまあ、素敵な人じゃない!」 アマンダ「眼鏡がなきゃ何も見えないくせに。老眼鏡を掛けて、ちゃんと見なさいよ」 ロビン、またもや彼女たちを見かける。彼女たちは四人目の女――デアドリー・ブレア――と合流している。ロビン、シャーロット・バーバーと知り合う。
[3] ロビンは“未亡人”たちと知り合っている。彼女たちは本物の未亡人ではない。キャロラインは詐欺師に引っ掛かりやすい。キャロライン「ジェイク・ハウレットの本が映画になるの。それでジェイクとアマンダは大急ぎで海外に引っ越さなきゃならなかったのよ。そうしないとほとんど税金で取られちゃうから」 デアドリー「いいえ、私は結婚したことがないの。仲間外れになるのが嫌だっただけ」シャーロットは本物の未亡人。
[4] キャロライン「もううちに帰る分しか酔い止め残ってないんだから」 ヘレン「私のを飲む? マイケルが私に処方してくれる薬なの」
[5] デアドリーはロビンをキャロラインを引っ掛けようとしている詐欺師か、彼女を護るために送り込まれた探偵かと疑っていた。
[6] キャロライン、夫から電報があったと話し、急ぎ帰宅しようとしている。シャーロットも帰宅したいと言い出す。アマンダ「キャロラインはどうしたんだと思う?」 ヘレン「一昨日の夜に私の部屋に来たときはいつも通りだったわ」 デアドリー「もし、いつも通り詐欺の泥沼に嵌り込んだことを昨日、誰かに知らされて、今日はアンガス(・マクフィー)から電報で、全部知ってるから家に帰れって言われたなら筋が通るわね?」 悲鳴。キャロラインが自室で死んでいる。
[7] ヘレン「自殺じゃないわ。私のせい」 キャロラインが受け取った電報。「スグカエレ ゼンブ オミトオシダ アンガス」
[8] ロビン「バスウエル夫人はどこ?」 シャーロット「寝込んでる。マクフィー夫人が酔い止めの薬と間違えて毒を飲んでしまったっていう説が出てて。バスウエル夫人の話じゃ、アイオーナ島に行く前の晩に自分の薬を一錠あげたって言うんだけど、毒が入っていたのはその薬に違いないって。バスウエル夫人は誰かが自分に毒を飲まそうしたと思って、きっとそれで泣いてるのよ」
[9] シャーロットはアンガスの依頼でキャロラインを見張っていた。
[10] ロビン、アマンダとその夫がキャロラインを何度も引っ掛けている詐欺師一味ではないかという疑いを、彼女にぶつける。ロビンの追及に彼女は何か不安そうな反応を示したが、詐欺についてはさほど気にしていない様子。ウォータストン検察官「錠剤について、バスウエル夫人は、自分の錠剤の残りを全部、下水に流して、一錠も残ってないと言うんです。夫人はなぜか息子さんが毒を処方したと思い込んでいて、必至に庇ってるんです」
[11] デアドリー「私はよくこのちっちゃい機械(補聴器)にうんざりしてスイッチを切るの。たまに自分一人の世界に引き籠ると、ずいぶん心が休まるの」 ヘレンは財産家。彼女が死ぬと、その遺産は夫と息子に等分される。ロビン「とにかく彼女は恐れている。ご主人を、息子さんを。それでもクローリーを庇おうと必死みたいですが。地方検察官の話じゃ、バスウエル夫人は薬の残りを全部捨てた上で、普通の売薬だと言い張ったらしい。でも、バスウエル夫人は僕らに、あれはクローリーが処方した薬だと言ったんですから」 デアドリー「そう言ったの?」 ロビン「そう。そして、クローリーはバスウエル夫人がここに来る直前にそうしたことをあっさり認めてる」 デアドリー「それじゃ、ご主人がどうやって毒薬を仕込めたのか見当もつかないわね。もう旅行に行ってたんだから」 ロビン、アマンダが部屋に飾っていた写真の男を見かける。それが彼女の夫かと思っていたロビンは、それがエドワード・バスウエルと知り、驚く。
[12] ロビン「エドワード・バスウエルが奥さんを殺して遺産を取ろうとしたんだと思う。彼はハウレット夫人を共犯に抱き込んで、自分がゴルフ旅行に行っている間に、ハウレット夫人に奥さんの薬の筒に毒入りのやつを入れさせた。写真を僕に見られたのは大失敗だったんだよ」 シャーロット「いいえ、違うわ。あなたにわざと見せたのよ。ハウレット夫人が何の理由もなく、そんな写真をあなたに見せるなんて信じられない」 シャーロット「バスウエル夫人がマクフィー夫人に薬を渡したことは私たち全員が知ってるわよね?」 ロビン、マイケルを尾行。
[13] ロビン、ジェイク・ハウレットと会う。ジェイク「英国に住んでて税金を払うのは俺だから、今、ここにいるのが見つかると、税金を払わなけりゃならないんだ」 マイケルとジェイクは、ヘレンの再婚相手が、かつて妻殺しの容疑を掛けられたトーシルという人物であることを知り、その対応に腐心していた。
[14] ロビン「それじゃマクフィー夫人は、このホテルでコペンハーゲンの詐欺師を見つけたと思ったんじゃないかな?」 ロビンは、マクフィー夫人が酔い止めを分けてもらうためにバスウエル夫人と二階に上がってから起きたであろう光景を思い浮かべた。二人がバスウエル夫人の部屋に入った。マクフィー夫人は貰った薬を確かめようと眼鏡を掛けた。そのとき、エドワードの写真をちゃんと見てしまった。そこにあったのは自分をコペンハーゲンで騙した詐欺師の顔だった。どうしたらいいのかわからず、夫に相談しようと電話したが、あまりに込み入った話なので、上手く伝えられず、帰宅してじっくり話すことにする。急な帰宅の理由を他の“未亡人”たちに説明できるはずもなく、そのための適当な理由として、自分を呼び戻すような電報を打ってくれと夫に頼んだ。
[15] 行方不明のシャーロットは既に島を出ていた。警察が尾行している。ロビン「シャーロットは、バスウエル夫人がマクフィー夫人に酔い止めを渡すことは全員が知っていたんだから、このホテルで毒が入れられたはずはないと言ったんだ。違う人が毒を飲むのを、殺人者が傍観してるわけがないんだから。もちろん、最初から狙いがマクフィー夫人だったなら話は別だ…」 「たぶん、急に気づいたんだ。僕たち全員が知っていたという前提が、間違いだったと」 悲鳴。エドワード、服毒死。
[16] シャーロット、犯行現場を警察に押さえられる。