黒星警部シリーズ。状況に流されるままに鬼面村まで来てしまった黒星警部が、家屋消失と密室殺人事件に遭遇する。不可能犯罪などの奇妙な事件が大好きな黒星は、知り合ったばかりの葉山虹子とともにこの謎に挑む。(「・ω・)「にゃおー [???]
内ヶ島為氏:没落した有力家の跡継ぎ, 同性愛者であるとの噂
内ヶ島シヅ:為氏の母
内ヶ島ミネ子:為氏の姉, 数年前に死んだはず
内ヶ島美紀:ミネ子の娘, 耳が不自由
重森太郎:鬼面村村長, 二郎とは不仲
重森花代:太郎の妻
重森新一:太郎の息子
重森二郎:太郎の弟, 不動産屋, 無類の女好き
牛山隆造:村長宅の下男
聖鬼魔王:曳田天海という名で知られたマジシャン, 脱獄囚
猪熊:村役場の職員
渋野:医師
矢崎茂太:巡査
黒星光:白岡署警部
葉山虹子:フリーライター
ごく単純な事件を、やれ意外な犯人だ、やれ密室だと、複雑化させ、次々に迷宮入りさせて、左遷を繰り返してきたのが、黒星光警部。叔母の危篤の知らせに慌てて駆けつければ、当の叔母は元気でピンピンしていた。拍子抜けして帰るついでに、近郊のどぶろく祭りに向かってみれば、フリーライターだという葉山虹子とともに、難事件に巻き込まれるのであった。
鬼面村に「推理作家」として招待されたのは虹子だったが、成り行きから、黒星が作家先生、彼女はその姪ということになってしまった。為氏の運転する車で村へと向かう途中で、黒星は鎌を持ち、藁草履をつっかけた、怪しい風体の女に出逢う。「あいつを殺してやるんだ」 そう言い残して立ち去る女を、呆然と見送るのみの黒星だったが、為氏は彼以上にショックを受けたらしく、顔面蒼白、口をパクパクさせている。「ねえちゃん…」 その言葉を、黒星は確かに聞いた。
村に到着して、黒星はようやく状況がわかってくる。村興しの企画のために、「葉山先生」は招待されたらしい。その余興の一つとして、聖鬼魔王と名乗る、覆面を被ったマジシャンが、一夜にして家を一つ消してしまうという。そして、その言葉どおりに合掌造りの公民館が消えてしまうとともに、聖鬼魔王も姿を見せなくなった。
村では、数年前に死んだはずのミネ子が目撃されるようになる。二郎への復讐のためにこの世に舞い戻ったのか―― そしてそれは遂に成された。村長宅の二階に、鬼の面を付けた二郎の死体が転がっていたのである。その上、池からは聖鬼魔王の遺体が上がった。
家屋消失、そして密室殺人。これこそ黒星警部に相応しい事件だった。
※以下すべて反転表示。ネタバレ注意。
パロディ風だが、一応は本格謎解き物の体で、最後にはどんでん返しもあるなど、凝った仕掛けも施されている。しょっちゅう気絶するハメになったり、図らずも虹子に対する痴漢行為を繰り返してしまう黒星警部という、ベタなユーモアも心地良い。二郎殺害の密室トリックは、あまりにも馬鹿馬鹿しいがw
ミネ子が一本道から姿を消したことなど、いくつか不明な点もあるのだが、用いられたトリックの性質上、細かい部分はどうにでも説明ができるので、あまり気にしなくてもいいだろう。だが、この大トリックの動機は納得し難い。むしろ逆効果なのではと。聖鬼魔王の死体の当初の置き場所も不自然。
ミネ子の言動についての記述には、ヒントがいっぱい。
① 黒星、鬼面村への道中で、鎌を握るミネ子に遭遇。村のほうへと歩き去った彼女の後を追うように、一本道を車で走るが、なぜか彼女の姿を見ることはなく、村へ到着。
② 黒星、村長宅の二階の客間に引き上げる。室内に虹子の姿がない。構わず就寝。
③ 黒星、深夜に目が覚める。隣に虹子が寝てる。就寝前に閉めた障子窓が全開になってる。外には池の向こうに合掌造りの公民館。再び就寝。
④ 虹子、目覚める。まだ夜。開いた障子窓の向こうの合掌造りの家に光が灯ると、そこには覆面を被っているらしき異様な風体の男。そしてもう一人の人物のものらしき影法師が障子に映る。両者の間に危険なものを感じる。助けを呼ぼうとして、何かを踏み、転倒、気絶。
⑤ 黒星、腹を踏まれ、目覚める。電灯の紐を引くが、明かりが点かない。窓の向こうの公民館の二階の部屋に、聖鬼魔王と奇面を被った男の存在を認める。聖鬼魔王の身に危険を感じ、部屋から飛び出す。急階段を踏み外したのか、体が空中を泳ぐ。激しい衝撃を覚悟したが、柔らかいものに体を包まれるような感覚を得て、そして意識を失う。
⑥ 黒星、目覚める。もう朝だ。布団で寝ている。負傷はないらしい。公民館が消失していた。聖鬼魔王の所在は不明。
⑦ 旧・内ヶ島家別宅にシヅの扮装をした人形。発見した黒星と虹子は気絶。目覚めたときには、もうそこに人形はない。内ヶ島宅にあるはずのミネ子の位牌が、なぜかこの家に置かれている。
⑧ 黒星、山中の温室の中に聖鬼魔王の全裸死体らしきものを発見。背後から打撃を受け、気絶。
⑨ 黒星、意識を回復。目の前の温室の中に死体はない。温室にはなぜか内側から掛け金が掛かっていた。念のため、もう一つの温室も調べる。こちらは鍵も掛けられておらず、中も異状なし。
⑩ 黒星と虹子、村長宅の二階の障子窓に映る二つの人影を外から見る。室内の明かりが消え、悲鳴。二郎が助けを求める声。玄関から飛び出し、逃亡する全裸の聖鬼魔王を目撃。
⑪ 二階の密室内に鬼面を被った二郎の死体。
⑫ 美紀が姿を消す。ミネ子からの待ち合わせの手紙。村長宅の四階にて美紀を発見。黒星、転落、気絶。
⑬ 誰かに拘束され、別の人物に助けられ、その人物に言われるままに隠れていたと、美紀は述べる。
⑭ 池から聖鬼魔王の死体が発見される。
内ヶ島為氏:没落した有力家の跡継ぎ, 同性愛者であるとの噂
内ヶ島シヅ:為氏の母
内ヶ島ミネ子:為氏の姉, 数年前に死んだはず
内ヶ島美紀:ミネ子の娘, 耳が不自由
重森太郎:鬼面村村長, 二郎とは不仲
重森花代:太郎の妻
重森新一:太郎の息子
重森二郎:太郎の弟, 不動産屋, 無類の女好き
牛山隆造:村長宅の下男
聖鬼魔王:曳田天海という名で知られたマジシャン, 脱獄囚
猪熊:村役場の職員
渋野:医師
矢崎茂太:巡査
黒星光:白岡署警部
葉山虹子:フリーライター
ごく単純な事件を、やれ意外な犯人だ、やれ密室だと、複雑化させ、次々に迷宮入りさせて、左遷を繰り返してきたのが、黒星光警部。叔母の危篤の知らせに慌てて駆けつければ、当の叔母は元気でピンピンしていた。拍子抜けして帰るついでに、近郊のどぶろく祭りに向かってみれば、フリーライターだという葉山虹子とともに、難事件に巻き込まれるのであった。
鬼面村に「推理作家」として招待されたのは虹子だったが、成り行きから、黒星が作家先生、彼女はその姪ということになってしまった。為氏の運転する車で村へと向かう途中で、黒星は鎌を持ち、藁草履をつっかけた、怪しい風体の女に出逢う。「あいつを殺してやるんだ」 そう言い残して立ち去る女を、呆然と見送るのみの黒星だったが、為氏は彼以上にショックを受けたらしく、顔面蒼白、口をパクパクさせている。「ねえちゃん…」 その言葉を、黒星は確かに聞いた。
村に到着して、黒星はようやく状況がわかってくる。村興しの企画のために、「葉山先生」は招待されたらしい。その余興の一つとして、聖鬼魔王と名乗る、覆面を被ったマジシャンが、一夜にして家を一つ消してしまうという。そして、その言葉どおりに合掌造りの公民館が消えてしまうとともに、聖鬼魔王も姿を見せなくなった。
村では、数年前に死んだはずのミネ子が目撃されるようになる。二郎への復讐のためにこの世に舞い戻ったのか―― そしてそれは遂に成された。村長宅の二階に、鬼の面を付けた二郎の死体が転がっていたのである。その上、池からは聖鬼魔王の遺体が上がった。
家屋消失、そして密室殺人。これこそ黒星警部に相応しい事件だった。
※以下すべて反転表示。ネタバレ注意。
パロディ風だが、一応は本格謎解き物の体で、最後にはどんでん返しもあるなど、凝った仕掛けも施されている。しょっちゅう気絶するハメになったり、図らずも虹子に対する痴漢行為を繰り返してしまう黒星警部という、ベタなユーモアも心地良い。二郎殺害の密室トリックは、あまりにも馬鹿馬鹿しいがw
ミネ子が一本道から姿を消したことなど、いくつか不明な点もあるのだが、用いられたトリックの性質上、細かい部分はどうにでも説明ができるので、あまり気にしなくてもいいだろう。だが、この大トリックの動機は納得し難い。むしろ逆効果なのではと。聖鬼魔王の死体の当初の置き場所も不自然。
ミネ子の言動についての記述には、ヒントがいっぱい。
① 黒星、鬼面村への道中で、鎌を握るミネ子に遭遇。村のほうへと歩き去った彼女の後を追うように、一本道を車で走るが、なぜか彼女の姿を見ることはなく、村へ到着。
② 黒星、村長宅の二階の客間に引き上げる。室内に虹子の姿がない。構わず就寝。
③ 黒星、深夜に目が覚める。隣に虹子が寝てる。就寝前に閉めた障子窓が全開になってる。外には池の向こうに合掌造りの公民館。再び就寝。
④ 虹子、目覚める。まだ夜。開いた障子窓の向こうの合掌造りの家に光が灯ると、そこには覆面を被っているらしき異様な風体の男。そしてもう一人の人物のものらしき影法師が障子に映る。両者の間に危険なものを感じる。助けを呼ぼうとして、何かを踏み、転倒、気絶。
⑤ 黒星、腹を踏まれ、目覚める。電灯の紐を引くが、明かりが点かない。窓の向こうの公民館の二階の部屋に、聖鬼魔王と奇面を被った男の存在を認める。聖鬼魔王の身に危険を感じ、部屋から飛び出す。急階段を踏み外したのか、体が空中を泳ぐ。激しい衝撃を覚悟したが、柔らかいものに体を包まれるような感覚を得て、そして意識を失う。
⑥ 黒星、目覚める。もう朝だ。布団で寝ている。負傷はないらしい。公民館が消失していた。聖鬼魔王の所在は不明。
⑦ 旧・内ヶ島家別宅にシヅの扮装をした人形。発見した黒星と虹子は気絶。目覚めたときには、もうそこに人形はない。内ヶ島宅にあるはずのミネ子の位牌が、なぜかこの家に置かれている。
⑧ 黒星、山中の温室の中に聖鬼魔王の全裸死体らしきものを発見。背後から打撃を受け、気絶。
⑨ 黒星、意識を回復。目の前の温室の中に死体はない。温室にはなぜか内側から掛け金が掛かっていた。念のため、もう一つの温室も調べる。こちらは鍵も掛けられておらず、中も異状なし。
⑩ 黒星と虹子、村長宅の二階の障子窓に映る二つの人影を外から見る。室内の明かりが消え、悲鳴。二郎が助けを求める声。玄関から飛び出し、逃亡する全裸の聖鬼魔王を目撃。
⑪ 二階の密室内に鬼面を被った二郎の死体。
⑫ 美紀が姿を消す。ミネ子からの待ち合わせの手紙。村長宅の四階にて美紀を発見。黒星、転落、気絶。
⑬ 誰かに拘束され、別の人物に助けられ、その人物に言われるままに隠れていたと、美紀は述べる。
⑭ 池から聖鬼魔王の死体が発見される。