ペリイ・メイスン・シリーズ。貴重な金魚を自分の手に取り戻したい依頼者が殺される。[???]

ペリイ・メイスン:弁護士
デラ・ストリート:メイスンの秘書
ポール・ドレイク:私立探偵
トム・グリッドリイ:ペットショップの店員
サリイ・マディスン:トムの恋人
ハリントン・フォークナー:不動産業者
エルマー・カースン:ハリントンの共同経営者
ジェネヴィーヴ・フォークナー:ハリントンの先妻
ジェーン・フォークナー:ハリントンの後妻
アルバータ・スタンリイ:ハリントンの秘書
ウィルフレッド・ディクスン:ジェネヴィーヴの顧問
アデル・フェアバンクス:ジェーンの友人
デイヴィッド・ロウリンス:ペットショップの主人
ジェームズ・L・スタウントン:保険代理業者
ドーセット殺人課の部長刑事
トラッグ:同警部
サマヴィル判事:予審裁判長
レイ・メッドフォード:検事



辣腕弁護士・ペリイ・メイスンのもとに持ち込まれた依頼は、採るに足らぬものと思えた。ハリントン・フォークナーにとっては貴重な黒い金魚が危機に晒されているという。共同経営者・エルマー・カースンがなぜか急にフォークナーに敵対的な態度を示すようになり、金魚を会社の所有物と主張し、その病気の治療を妨害しているだけでなく、フォークナーを名誉毀損で告訴までしたのだ。

まったく気乗りしないメイスンであったが、結局はこの件に関わってしまうことになる。しかしそれは金魚をフォークナーの手に取り戻すことではなく、フォークナー殺害事件についてであった。


※以下すべて反転表示。ネタバレ注意。



多作作家ガードナーの大人気シリーズ「ペリイ・メイスン」物の(たぶん)26作目。

主人公が弁護士という設定上、会話や説明がくどかったり、話を転がすためにドタバタが過ぎたりする嫌いはあっても、このシリーズは論理パズル的ではあるし、最後の法廷場面が探偵のプレゼンテーションみたいだし、そのフォーマットは割と僕好みなのだが、本作はいまいち。犯人以外の人物が嘘ばかりつくというのもやはり好みではないが、そんなことよりも話がゴチャゴチャしすぎ。枝葉の部分ばかり長々と説明した挙句、唐突に最も重大な部分をテキトーに流したみたいで、読み終わっても、どうもすっきりしない。気づけば、「いったいどんな事件だったっけ?」状態。

道楽の金魚にはカネを惜しまないフォークナーだったら、5000ドルどころかそれ以上の額だってさっさと支払うだろうに、なぜそれを出し渋って、わざわざ手間を掛け、恨みまで買う手段を採るのかさっぱりわからない。狙撃によるフォークナー殺害未遂の事情や、なぜ彼が不法行為に加担してまでも、不当な安値で株を手放すのかも、まったく掘り下げられてない。

殺人未遂犯。窃盗犯。脱税犯。殺人犯。犯罪者だらけ。