“ジョーダン・ポティート”シリーズ。土地開発を巡る争い。連続爆発事件。[?]

ジョーダン・ポティート:ミラボー図書館館長
アン:ジョーダンの母
アーリーン:ジョーダンの姉
マーク:アーリーンの息子
キャンディス・タリー:ジョーダンの助手
ボブ・ドン・ガーツ:ジョーダンの実父
グレッチェン:ボブの妻
ビッドウィル・ポティート:ジョーダンの叔父, 弁護士
クロー・バターフィールド:アンの付き添い看護婦
パーカー・ラウダーミルク:ミラボー町長
ディー:パーカーの妻
ジェニー:パーカーの娘
トゥワイラ・オデル:元高校教師
ユーラ・メイ・クリフ:ロマンス小説作家
チェット・ブラントン:ホテルのオーナー
タイニー・パーマリー:ジョーダンの小学生時代の同級生
フレディ・ジャックシル:不動産業者
グレッグ・キャラハン:土地開発業者
ローナ・ウィアシンスキー:グレッグの部下, ジョーダンの元恋人
ニーナ・エルナンデス:環境保護活動家
ビリー・レイ・バメル:地方検事補
ジューンバッグ・モンクリーフ:警察署長

※以下すべて反転表示。ネタバレ注意。



ミラボーは退屈な田舎町。道具小屋や犬小屋が爆弾で吹っ飛ばされる事件はとても珍しいものだった。そんな町だから、ミラボー図書館館長・ジョーダン・ポティートが新聞を取りに行ったときに、視界に入る郵便受けが次々と爆発していく光景も、とても珍しいものであったことも間違いない。

その事件とはまた別に、町には騒動が持ち上がっていた。大規模な土地開発の話だった。町にやって来たのは、開発を進めているイントラグローバル開発のグレッグ・キャラハンと、それを阻止せんとする、環境保護活動家・ニーナ・エルナンデス。当然のことながら、町の住人の中には開発に賛成する者も、反対する者もあり、簡単に決着しそうもなかった。

しかし、意外な形で、その騒動も収束へと向かい始めた。グレッグが町のホテルの一室にて殺害されたことによって。そして、さらにそのホテルでの不運は続く。連続爆破事件が、そのホテルにも及んだのだ。それは、それまでの爆破事件とは違い、もはや愉快犯として片付けられるものではなかった。爆発の中心部に近い所には、バラバラに吹っ飛ばされた死体があった。



ジョーダン・ポティート・シリーズの第二作。前作は、被害者を恐喝者と設定することで、嘘つきだらけの関係者の秘密をひたすら暴くことに筆を費やすという、分量を水増ししたミステリだったが、その傾向は本作でも同様。本筋とは無関係に、登場人物は怪しげに振舞い、それが事件とは無関係であることを知るためだけに、読者はページを何度もめくらねばならず、特に意味もなく、ロマンスに付き合わされる。やはり今回もジョーダンは犯人に銃を突きつけられるまでは真相に辿りつけず、と言うか、事件の解明に彼のそれまでの行動は必要だったの? ミステリとして分類されるには違いないだろうが、どちらかと言えば、その印象は冒険小説に近い。

ミステリとしてのツッコミを入れること自体が意味ないと思うけど、とりあえずその視点で真っ先に引っ掛かりを感じてしまうのが、イントラグローバル開発が、これまでにもいくつかひどい開発を行なっており、ニーナはその反対活動して、毎回負けているという話。この件について調べた形跡がまったくない。いくらなんでも、町の住人も警察も無邪気すぎる。

グレッグが殺された直後に、ある人物(a)が部屋を訪れ、その死体を見て逃げた、となっているが、そのときに犯人はどこに居たのか? その後、偶然にも目を覚まし、部屋を訪れた、ローナ・ウィアシンスキーは犯人に襲われ、クローゼットに押し込まれている。殺害直後に立ち去った犯人が、なぜかまた現場に戻っていたのだろうか。しかし彼女は、ドアが少し開いていて、部屋の明かりが点いていなかったことを確認している。仮にaが立ち去った後に犯人が部屋に戻り、証拠隠滅や偽装工作を行なっていたとすると、ドアが開いていたのは、単に犯人の不注意だったと片付けるには抵抗がある。

となると、犯人は部屋に隠れていて、aはそれに気づかなかった、という可能性が高い。もしそうなら、第一の訪問者・aに対しては、おとなしく身を潜めるのみだった犯人が、第二の訪問者・ローナに対しては、即座に行動に出たことは、あり得ないことではないが、違和感を覚える。これはあくまでも偶発的・突発的な状況であり、計画されたものではないからだ。

この犯人は、「姿を消すのはお手のもの」で、今回も姿を消すつもりでいる。しかし、姿を消せば、この殺人事件についての容疑は濃くなるだろう。他人を犯人に見せかけようと工作してるが、それは一時凌ぎを想定していると見るほかない。犯人がこの件で得た額は、決して一生遊んで暮らせるほどのものではなく、この後もこれまでと同様の犯罪に手を染めるつもりだったと推察される。しかし、これだけの大事件の容疑者とされてしまったら、もはやそれは厳しい。どうも犯人の考え方の軸が、しっかりと設定できていないように思える。

グレッグのちょっとした“小遣い稼ぎ”もなぁ。ビッグ・ビジネスの最中に、そのような、トラブルを負いかねない行動するかなぁ?