滝沢紅子 シリーズ。見立て殺人。事件は重いが作風は軽い。[??]

※以下すべて反転表示。ネタバレ注意。



滝沢紅子は自宅で死体を発見する。背中に短剣。明らかに殺人事件。現場にあったはずの「髑髏島殺人事件」という推理小説がなぜかなくなっており、その本のストーリーをモチーフにしたかのように、第二・第三…と事件が発生する。



探偵役・紅子の一人称で事件は語られるが、宇野鴻一郎の文体を模倣したという、その語り口調に慣れるまでがキツい。週刊誌によくある、若い女性の会話を装いつつも、「どう見ても書いてるのはおっさんだろ」という文章を読んだときの感覚に近い。良くも悪くも昭和の作品らしさが表れてると言えなくもないw

話の運びは古典的。ダイイング・メッセージはシンプル。第一の被害者の経歴が判明した時点で、犯人や犯行動機、本が持ち去られた理由など、容易に真相はほぼ推測できるだろう。

ある小説の内容をなぞるように事件が進行するというのは、童謡殺人の系統だが、これは元々はそんな意図はなかった犯人が犯行後、たまたまそのような状況になってしまったことを利用するパターン。偶然に依った部分がやや目立つ。

少女が轢き殺された現場に「髑髏島殺人事件」が置いてあったというのはやりすぎだろう。探偵団の一人が、連続殺人という持論を補強するために単なる交通事故の現場を偽装したというのは、後味も良くない。

紅子によって事件の真相が判明した後に、別の少女がホームズみたいな名推理を披露し、実はとっくに犯人を推察していたというオチがつくw