雨のあとに虹・Part2 その82
「試合終了。」
審判が大声で言うとスタンドから歓声が上がった。
「これで育子さんは決勝に進出ですね。」
直子が言うと
「育子さんは強いですね。」
久美子は感激したように言った。
「いつの間にかゆき乃さんは負けていましたね。」
立花が言うと
「寝坊してゆき乃さんの試合を見逃したのは立花さんだけですよ。」
陽子は怒ったように言った。
「昨夜は予定外の事で興奮しましたからね。」
立花は言った。
「立花さんが寝坊するのも仕方がないよ。」
俊之は立花を庇うように言った。
「育子さんがこちらに来ましたよ。」
直子が言うと育子が笑顔で近づいて来た。
「次は決勝ですよ。」
久美子は育子に言った。
「これであとひとつになったよ。」
育子が言うと
「今のモチベーションを保てれば決勝でも勝てると思うよ。」
俊之は言った。
「育子さんは凄いね。」
いつの間にか傍に来ていた翔太が言うと育子は翔太を見て微笑んだのである。関口と泰子も翔太の横に立っていたのであった。
「笹川さんたちは応援に来るのが遅いよ。」
育子は上冗談まじりに言った。
「国分源太さんですね。」
林は言った。
「そうです。」
国分は日本を話す林を不思議に思って言った。
「私は北京警察署の林です。」
林は身分証明書を国分に見せる言った。
「警察が僕に何の用ですか?」
緊張した表情で国分は言った。
「参考までに聞きたい事がありましてね。」
林が言うと国分は何も言わずに走り出したのである。
「逃げても無駄ですよ。」
林は国分に言った。逃げる国分を近くの観客に紛れていた4人ほどの警察官がすぐに取り押さえたのであった。
「向こうの方で何かがあったみたいですね。」
立花は人混みを見て言った。
「あとで笹川さんに調べてもらいましょう。」
陽子は言った。
「すでに関口たちが確認に行っていますよ。」
翔太は微笑んで言った。
「あとひとつで今までの成果を問われるのよね?」
育子が言うと
「育子さんらしくないですね。」
久美子は育子を励ますように言った。
「卓球の試合では霊感が働かないのかい?」
俊之が言うと
「平常心が保てていないからかな?」
育子は言った。
「育子さんなら必ず勝てますよ。」
直子は確信したように言った。
「きっぱりと言い切りましたね。」
翔太は微笑んで言った。
「ここにいる全員は運が強いはずですよ。」
直子が言うと
「どうしてそれが解るのですか?」
育子は不思議に思って言った。
「昨夜は中国マフィアに捕まってもかすり傷ひとつ追わないで助かったのですからね。」