雨のあとに虹・Part2 その77
「どうしたの?」
ゆき乃は育子の顔を見て言った。
「先ほどから胸騒ぎがしてしようがないのよ。」
育子は練習の疲れも見せずに言った。
「明日の試合で緊張しているからよ。」
ゆき乃が言うと
「そうではないと思うよ。」
育子は言った。
「今夜は早めに休まないとダメよ。」
ゆき乃が言うと
「早く寝たいけれど眠れるかな?」
育子は言った。
「その前に何かを食べようよ。」
ゆき乃が言うと
「しっかり食べないとスタミナがなくなるね。」
育子は言った。
「食堂に行こうよ。」
ゆき乃が言うと
「気分転移しないとダメだよね?」
育子は言った。ふたりは楽しそうに食堂へと歩いて言ったのである。
「そろそろ出ましょうか?」
関口が言うと
「早くしないとタイミングを逃しますよ」
泰子は言った。
「順番に落着いて逃げてください。」
翔太が言うと泰子を先頭に陽子が続いて直子に久美子の順番で出口に向かっていた。そのあとに俊之が続いて立花に関口が続いて最後は翔太であった。
「簡単に抜け出せるのね?」
陽子が言うと
「今まで時間をかけて敵に信用をさせていますからね。」
泰子は言った。
「慎重に頼むよ。」
翔太は泰子に言った。
「こちらです。」
泰子が言うと俊之たちは順番に手際よく脱出していた。暗がりを歩く時には俊之たちひとりひとりが持つペンライトの明かりだけが夜の闇を照らしていたのである。
「大丈夫ですか?」
久美子は直子に言った。
「私は大丈夫だから久美ちゃんも気をつけてね。」
直子は言った。
「僕が軽率でしたね。」
立花が言うと
「今は逃げ出す事を考えるのが先決だよ。」
俊之は優しく言った。
「足が少し痛くなってきたみたいです。」
直子が言うと
「もう少しだからね。」
俊之は優しく言った。
「この先に自動車を用意してあります。」
関口が言うと
「自動車まであと少しですよ。」
泰子は言った。
「足元に段差があるから気をつけてください。」
関口が陽子に言うと
「ありがとう。」
陽子は言った。
「この道は歩き憎いですね。」
直子が言うと
「ゆっくり歩きましょうよ。」
久美子は直子を気遣って言った。
「僕が自動車まで走ってここまで運転士して来るよ。」
俊之が言うと
「僕が行きますよ。」
翔太は言った。
「お願いできるかい?」
俊之が言うと
「任せてください。」
翔太は言った。自動車に向かって翔太が走ろうとした時に大きな照明が俊之たち8人を照らして一面は眩しいくらいに明るくなった。
「眩しい。」
立花が言うと
「青い龍に知られていたのか?」
翔太は言った。
「みんなは大丈夫かい?」
俊之はこの場にいる全員を気遣って言った。
「私は大丈夫です。」
久美子が言うと
「私も大丈夫です。」
陽子は言った。
「私も大した事はありません。」
直子が言うと
「僕も平気ですよ。」
立花は言った。
「全員無事のようです。」
泰子が言うと
「あいつらにばれてしまいましたね。」
関口は言った。
「このままギブアップは出来ないよ。」
翔太は照明を睨みつけて言った。