雨のあとに虹・Part2 その29
「久しぶりだね。」
矢島の行きつけの料亭で俊之は言った。純子はバイトで来られないために俊之と久美子に育子と矢島が来ていたのである。
「2週間ぶりだけれど長く感じますよ。」
育子が言った。
「俺は育子さんに会うのは空港以来だね。」
矢島が言った。
「あの純情ドラマ以来ですね。」
育子が冗談交じりで言うと
「育子さんもやめてくださいよ。」
久美子は照れた声で言った。
「あれは俺の目から見ても良かったよと思うよ。」
矢島は言った。
「矢島まで言うから意識してしまうよ。」
俊之が言うと
「いいじゃないですか。」
育子は言った。料亭にアルコールは欠かせないがたくさん飲む人はいなかった。矢島も以前と違って理を楽しんでいて最近では飲む量は減ってきていたのであった。
「みんなにはお世話になっていて本当にありがたいよ。」
俊之が言うと
「高村さんはサッカー選手に久美ちゃんを取られたらダメよ。」
育子は言った。
「サッカー選手とは誰の事?」
俊之が言うと
「三田人志選手に久美ちゃんが口説かれそうになっていたわよ。」
育子が冗談交じりに言った。
「そんな奴は俺が投げ飛ばしてやるよ。」
矢島が言うと
「育子さんがすでに投げ飛ばしましたよ。」
久美子が笑いながら言ったのである。
「明日になればお金が出来ると思います。」
泰子は携帯で涌本に言った。
「それは助かるよ。」
涌本は感謝の声で言った。
「それは構いません。」
泰子が言うと
「感謝しているよ。」
湧本はい言った。
「お金を何処に持っていけばいいですか?」
泰子が言うと
「夕方に湾外沿いの倉庫に来てくれないか?」
涌本はあ言った。
「いつか連れて行ってくれた倉庫の事ですか?」
泰子が言うと
「ひとりで来られるかい?」
涌本は言った。
「解りました。」
泰子は言って電話を切ると
「やめておいた方がいいよ。」
横で聞いていた関口は言った。
「私がやっと掴みかけた幸福だから仕方がないのよ。」
泰子は関口に言った。
「銀行員だって言う事が嘘だとばれたら意味がないよ。」
関口は言った。
「今さら元レディースでしたって言えないからね。」
泰子が言うと
「涌本というファンドマネージャーはどんな男なのか知っているの?」
関口は泰子に言った。
「湧本さんはとても優秀な人よ。」
泰子は沈んだ表情言った。