雨のあとに虹・Part2 その8 | 開運童子のブログ

雨のあとに虹・Part2 その8

「いらっしゃいませ!」

店長の石倉ひとみは朝から対応に追われていた。珈琲ショップトレンドカフェは忙しさに一区切りつく時間帯のはずであったが今日は大入りであった。

「休憩の時間ですよ。」

小百合にがひとみに言うと

「もう少ししてから休憩にするからいいわ。」

ひとみは言った。

「お客さんがたくさん入って今月はかなり売上げが高いですよね?」

小百合は言うと

「それはありがたいけれど堀川さんがあまり来られなくなったからローテーションに入れるバイトを増やさないとダメね。」

ひとみは言った。売上げが上がっても手放しで喜んでばかりもいられないのであった。ここ数ヶ月間の売上げは良いので本社からは注目されているが店長ともなるといろいろ考える事が多くなってきていた。

「堀川さんはテキパキとして仕事が速いですよね?」

小百合は言った。

「堀川さんはとても優秀よ。」

ひとみが言うと

「なかなか堀川さんのような人材は見つからないですよね。」

小百合は言った。ひとみは久美子が活躍の場を広げていくのを嬉しく思う反面寂しくもあったのである。


「今日は、すっかりご迷惑をおかけしてすみませんでした。」

キャンペーンガールの久美子も含めた食事会で俊之は深澤久美子と敏弘を交互に見て言った。

「そんな事はありません。」

深澤久美子が言うと

「良い思い出のはずが悪い思い出になりましたね。」

俊之は言った。

「それは気にしないでください。」

深澤久美子が言うと

「僕はただ必死でした。」

敏弘は言った。

「私は人質ではなかったですが身体に震えがきました。」

久美子が言うと

「今日はお詫びを兼ねて遊園地の敷地内の総武ホテルに無料招待させていただきますのでゆっくりしてください。」

俊之は言った。

「それはありがとうございます。」

深澤久美子は言った。

「無料パスは明日も使えるように担当に支持しておきました。」

俊之が言うと
「今日は悪い事もあったけど良い事もありました。」

深澤久美子は言った。

「少しでも良い思い出を作ってください。」

久美子が言うと

「今日は嬉しい事があったので将来は忘れられない日になりそうです。」

深澤久美子が言うと

「何もここで社長さんにお話しなくてもいいよ。」

敏弘が言うと

「失礼でなかったらお話を伺えませんか?」

俊之が言った。

「私も失礼でなければ聞きたいです。」

久美子も言ってふたりを見ると敏弘は深澤久美子に頷いた。

「私たち遠距離恋愛だったのですが観覧車の中でプロポーズされました。」

深澤久美子は言った。

「それはおめでとうございます。」

俊之が言うと

「素敵ですね。」

久美子は言った。

「総武からも何かプレゼントをさせていただきますよ。」

俊之が言うと

「そんな事までしていただくと緊張します。」

深澤久美子は言った。

「ぜひプレゼントをさせてください。」

俊之が言うと

「幸せにね。」

久美子は言った。

「ありがとうございます。」

敏弘が言うと

「今日は忘れられない日になりました。」

深澤久美子は言った。窓外は夕日が沈みかけて夏の短い夜が迫っていた。