雨のあとに虹 その230 | 開運童子のブログ

雨のあとに虹 その230

「途中で帰るのは少し気が引けるね。」

俊之は陽子と昼食をとりながら言った。

「午後は今期の整理があって正樹オーナーとのやり取りで忙しくなります。」

陽子は言った。

「そうだったね。」

俊之が言うと

「4月の以降になれば嫌でも高村さんに立ち会っていただく事になります。」

陽子は言った。

「僕は今の段階では引継ぎの立場で社長に正式な就任をしていないからね。」

俊之が言うと

「今日はゆっくりなさってください。」

陽子は優しく言った。

「たまには公園を散歩してみようかな?」

俊之は言った。

「明日は私と堀川さんは休みだからよろしくお願いします。」

ひとみが言うと

「明日はふたりともお休みですか?」

小百合は驚いて言った。

「こちらにもいろいろ事情があるのよ。」

ひとみは言った。

「いろいろとは何ですか?」

小百合が言うと

「堀川さんを空港まで見送りに行くのよ。」

いたずらっぽくひとみが言った。

「堀川さんは何処か旅行にでも行くの?」

小百合が言うと

「1年間カナダに行くのよ」

ひとみは言った。

「本当ですか?」

小百合が言うと

「大石さんは知らなかったかしら?」

ひとみは言った。

「知りませんでしたよ。」

小百合が言うと

「そういう事にしておきなさい。」

ひとみは言ってから微笑んでいた。

「この食事でお口に合いますか?」

立花が久美子に言った。

「とてもおいしいです。」

久美子は素直な気持ちを言った。

「シンプルな料理をおいしいと言ってくださる久美子さんのその素直な表情が総武遊園地のイメージにぴったりですね。」

立花も素直な気持ちを言った。総武の社員食堂で俊之と陽子が出たあとに久美子と立花が入って来ていたので顔は合わせていなかった。

「そんなに褒められると恥ずかしいですよ。」

久美子が言うと

「これ以上変な事を言うと高村さんに叱られますね。」

立花は言うと笑顔を見せた。

「それでは今日はこれで失礼します。」

俊之が言うと

「お疲れ様でした。」

陽子は言って会釈をした。

「明日は僕が野暮用で出社出来ないですよ。」

俊之が言うと

「明日は一日中バタバタしていますので明後日にお待ちしています。」

陽子は言った。

「今日はお時間をとっていただいてありがとうございました。」

立花が言うと

「こちらこそありがとうございました。」

久美子は言った。

「本来ならエレベーターまでお見送りをしなければいけないのですが今日はここで失礼致します。」

立場が言と

「お気になさらないでください。」

微笑みながら久美子は言った。

 俊之を乗せたエレベーターは降下していた。広いエレベーターに俊之がひとりだけ乗っていた俊之が階数表示を見ているとすぐ下の階でエレベーターが止まっていた。俊之がボタンの傍へ行くとドアが開いて久美子が入って来た。

「久美ちゃん。」

俊之が言うと

「俊さん。」

久美子も俊之を見て言った。

「どうしうたの?」

ふたりが同時に言った。