雨のあとに虹 その225 | 開運童子のブログ

雨のあとに虹 その225

「おはようございます。」

直子は約束に喫茶店に入って来て俊之を見つけると笑顔で言った。

「急に時間をもらって申し訳ないね。」

俊之が言うと

「構いませんよ。」

直子は言った。

「急いでいたのでね。」

俊之は言った。

「高村さんに誘われるのははじめてですね。」

直子は嬉しそうに言った。

「そうだったかな?」

俊之は言った。

「いつも私がお誘いしていましたよ。」

直子が言うと俊之はポケットから封筒を取出して

「これは時間がかかったけど取戻したからね。」

と言って直子の前に差し出した。

「これはどうしたのですか?」

直子は驚いて封筒を見ながら言った。

「斉藤弘子から取られた80万円だよ。」

俊之が言うと

「取り戻せたのですね。」

直子は言った。

「確かめてください。」

俊之が言うと

「返済が大変だからどうしようかと思いました。」

直子は言って封筒の中身を確かめていた。

「世の中うまい話は転がっていないから気をつけた方がいいよ。」

俊之が言うと

「考えてみればおかしかったですね。」

直子は言った。

「80万円で大手プロダクションを紹介するとは人の弱みに付け込んでいるね。」

俊之が言うと

「今回はとてもいい勉強になりました。」

直子は自分の軽率さに反省をして言った。

「私は今日の帰りは遅くなるからね。」

千晴はそう言って家を出ようとしていた。静江は千晴を見て言葉をかけようとした時に家の電話が鳴りだしていた

「お母さんが出るからね。」

静江は言って電話を取ると

「石井静江さんのお宅でしょうか?」

電話の相手が言った。

「そうです。」

静江が言うと

「警視庁捜査一課の菊池と申します。」

菊池雄介が落着いた口調で言った。

「警察の方ですか?」

静江が言うと

「昨夜ご主人さんの石井純一さんが死体で見つかりました。」

菊池が同情するような口調で言った。

「そうですか?」

静江は言うと顔に緊張の表情を浮かべていた。

「どうしたの?」

千晴が言っても言葉に詰まった静江は黙って菊池の話を聞いていた。