雨のあとに虹 その216 | 開運童子のブログ

雨のあとに虹 その216

「明日なら時間がとれそうだけど良いかしら?」

弘子が直子の携帯に電話をかけてきて言った。

「明日は夕方から時間がとれますけど本当にお金を返してくれますよね?」

直子は強く言った。

「約束は守るから大丈夫よ。」

弘子が言うと

「先日お会いしたお店でどうですか?」

直子は言った。弘子がいう事は信用性が薄いのであった。

「夕方に会いましょう。」

弘子が言うと

「よろしくお願いします。」

直子は言って電話を切っていた。

「川嶋さんとこうしてゆっくり話すのは初めてだね。」

俊之は言った。珍しく静かな音楽が流れるショットバーで俊之と陽子が向かい合っていた。

「高村さんはアルコールが強くないと聞いていたのでお誘いしてもご迷惑かと思っていました。」

陽子が言うと

「迷惑ではないよ。」

俊之は言った。

「本当ですか?」

陽子が言うと

「いつも仕事の話ばかりだからね。」

俊之は言った。

「総武のトップになられるので大変ですね。」

陽子が言うと

「たまには適当な話をして時間を過ごすのも良いよね?」

俊之は夜景を見てから陽子の目を見て言った。

「今は私とゆっくり飲んでいる場合ではなかったのではないですか?」

陽子が俊之に言うと

「ひとりで考えてもどうにもならない事もあるからね。」

俊之は言ってコップに口をつけた。

「夜景は見る人の心によって違って見えるのをご存知ですか?」

陽子が言うと

「見え方が違うとはどういう事なの?」

俊之は言った。

「今の高村さんにはどう映っていますか?」

陽子が言うと

「綺麗で鮮やかだね。」

俊之は言った。

「それだけですか?」

陽子は言ってカクテルに口をつけた。

「鮮明に輝く光線が眩しく見えるよ。」

俊之は言った。

「ちょうどよかったです。」

田崎が俊之を見て言った。俊之が1週間ぶりに矢島建設の入口を通った時であった。

「おはよう。」

俊之が言うと

「おはようございます。」

田崎はまだ挨拶をしていなかった事に気付いていった。

「慌ててどうしたの?」

俊之が言うと

「矢島建設の新規事情でHARUKA-SHIRANIの専門店を出す事が決まりそうです。」

田崎は言った。

「春香さんから矢島に話があった件だね。」

俊之が言うと

「話が急展開で進んでいます。」

田崎は言った。

「無理な投資をしなければ良いと思うよ。」

俊之が言うと

「うちも建設業界だけではなく異分野へ進出できたのは良い事ですが不安もあるわけです。」

田崎は言った。

「誰にでも不安はあるよ。」

俊之が言うと

「大丈夫でしょうか?」

田崎は言った。

「本業に支障がない範囲でやればいいよ。」

俊之が言うと

「それで新規に人材を募集する事になりました。」

田崎は不安な表情で言った。

「僕が面接に立会わないといけないようだね。」

俊之が言うと

「お願いしますよ。」

田崎は言った。俊之はフロアーを見回しながら田崎の言葉を聞いていた。矢島建設ではいろいろな意味で社員が活気付いているように見えていた。