雨のあとに虹 その203
「それではこれからパトロールをしますのでよろしくお願いします。」
手塚が言うと俊之を含めて8人のパトロール隊のメンバーは大きく頷いた
「それでは行きましょう。」
俊之が言うと一同が歩き出した。
「高村さんも最近は仕事が忙しいようだね。」
手塚は優しく言った。
「最近は忙しくなりました。」
俊之が言うと
「それは良い事だよ。」
手塚は言った。
「少しばかり大きい企業の仕事をしています。」
俊之が言と
「それは立派だね。」
手塚が自分の事のように喜んで言った。
「すごく寒いですね。」
寒さでメンバーのひとりが思わず言うと
「寒いね。」
手塚も震えがちの声で言った。春は近くまで来ていたがこの冬一番の冷え込みであった。
「早かったね。」
久美子は大学の窓口で先に来ていた純子に言った。
「今日は早起きしたからね。
いつもは久美子が早く着くのに今日は純子の方が早かったので嬉しそうに純子は言った。
「早く手続きをとっておこうよ。」
久美子が言うと
「そうだね。」
純子は窓口を見て言った。
「お金を使い込んだら除籍されてしまうからね。」
久美子が冗談のように言うと
「使い込みそうだったよ。」
純子は言った。
「そんな事をしたらあとで取り返しがつかなくなるよ。」
久美子は純子に言った。
「出発の時間です。」
陽子が言うと俊之は時計を見た。
「行こうか。」
俊之は言って俊之が立ち上がると陽子もあとに続いた。社長室から廊下に出て俊之と陽子が歩き出すとあとを追いかけるように恵子が早歩きをして追いついて来た。
「高村さん!」
恵子が言うと俊之は後ろを振向いた。
「薬師寺さん。」
俊之が言うと
「私もご一緒します。」
恵子は言った。
「薬師寺さんも行くの?」
立花がエレベーターホールから現れて言うと
「当たり前じゃないの。」
恵子は言った。
「それはそうだけどね。」
立花が言うと
「私は交渉部長ですよ。」
恵子は言った。
「今回の相手はその世界の人だから止めておいた方がいいよ。」
珍しく歯切れが悪く言う立花が言うと
「私もご一緒しますから構わないですよね?」
陽子は言った。
「それでは覚悟を決めてみんなで行こう。」
俊之が言うと立花をはじめ陽子も恵子も気が重いのを少しだけ紛らわす事ができた。俊之だけが平常心でいた。
「今日は大きい方の社用車で行きましょう。」
立花は言った。