雨のあとに虹・その182
貴志が出勤して来ると村山がその方を見た。
「おはようございます。」
ぎこちない声で貴志は言った。
「おはようございます。」
とその村山言った。村山は挨拶を会話はなかった。
「親会社から来たあいつ本当に何も出来ないバカだよ。」
村山は田沼に言った。
「それだからうちに飛ばされたのだろうね?」
田沼は言った。
「いい迷惑だよね。」
村山が言うと
「あれで俺たちより給料が高いらしいね。」
田沼は言った。
「ふざけるなって言ってやりたいね。」
村山は言った。貴志の耳に村山の会話が聞こえてきた。貴志は今になって日ごろの自分がした行動に反省をしているのであったがそれはすでに遅かった。
「会社まで押しかけてすみません。」
桑田は恐縮して言った。
「構いませんよ。」
俊之は言った。
「お時間をとっていただいてありがとうございます。」
桑田が言うと
「今日の取材は会社の方が良いと言い出したのは僕ですから気楽に取材してください。」
俊之は言った。
「広い社長室なので私が緊張しますよ。」
桑田は言った。桑田が描く漫画の参考にと俊之も協力しているところであった。
「近々に天門先生とお会いする予定ですよ。」
俊之が言うと
「天門先生とのツーショットの写真も撮りたいけどそれは後日にしましょう。」
桑田は言った。取材が始まったのを陽子は横で楽しそうに見ていた。
「いらっしゃいませ。」
小百合が言うと
「お客様こちらへどうぞ。」
久美子がと言った。これから少しずつ混雑してくる時間である。
「店長はどうして午後から出勤になったの?」
小百合が言うと
「急用が出来たみたいよ。」
久美子は言った。
「混んできたけど大丈夫かな?」
不安そうに小百合が言うと
「いつものように落着いてやれば出来きるよ。」
久美子は言った。
「そうよね。」
小百合が言うと
「私だって最初はパニックだったからね。」
久美子は言った。
ひとみは病院の廊下を歩いていた。近年の病院はバリアフリーが当たり前になっていた。病室はナースセンターで親切に教えてもらったのでひとみもすぐに解った。ひとみは病室の前に立って軽くドアをノックした。
「小谷さん。」
山本は役員室に入ってきたまどかに言った。
「はい!」
まどかは言った。
「田所くんを知らないかね?」
山本が言うが
「今日は出勤していないようですね。」
まどかは言った。
「休むと連絡はあったかね?」
山本が言うと
「朝は受付をしていましたので解りません。」
まどかは言った。
「困ったものだな。」
山本は言った。
「桑田先生も特別に今日の打合せに立ち会いますか?」
俊之は桑田に言った。
「それは興味深いですね。」
桑田が言うと
「ぜひ同席してください。」
俊之は言った。
「私が参加して支障はありませんか?」
桑田が言うと
「それは構いませんよ。」
俊之は言った。
「それならしっかり取材をさせていただきます。」
桑田が言うと
「極秘事項もありますので公にされると困る部分があります。」
俊之は言った。桑田にも俊之が言いたい事は理解できた。
「それは書きませんので安心してください。」
桑田が言うと
「それでしたら午後の打合せを始めます。」
俊之は言った。
「このボイスレコーダーは使かわないようにしますよ。」
桑田は言ってボイスレコーダーを鞄にしまった。