雨のあとに虹 その131 | 開運童子のブログ

雨のあとに虹 その131

「また明日ね。」

ひとみが言うと

「明後日は大学の抗議があるからお休みです。」

久美子は言った。エスカレーターで1階まで降りて来たところである。

「それは大丈夫よ。」

ひとみは言って改札口の方へ行った。久美子は駅前の通りで買い物をして帰る事にした。交差点で信号を待っていると

「ちょっと彼女」

キャッチと呼ばれる男が声をかけてきた。

「急ぎますのですみません。」

久美子が言うと

「良い仕事があるけど興味ない?」

男はさらに言った。

「興味ないです。」

久美子が言うとは信号が青になった。久美子が歩き出すと男はしつこくついて来た。久美子はそのまま歩くスピードを緩めずにいると

「黙っているなよ。」

男は本性を現して言った。

「興味ないと言ったはずですよ。」

久美子は言った。

「待てよ。」

男が言って久美子の腕をつかもうとした時である。

「お待たせ。」

人相の悪い服装で髪は茶髪にして耳ピアスの関口が立っていた。

「あっ!」

久美子が言うと関口は

「俺の彼女にお前なにやっている!」

と大きな声で」言った。男は急に静かになって

「何にもしていません。」

と言った。

「変な事をするとぶっ殺すぞ!」

関口が言うと男は急に静かになって

「すみません。」

と言った。

「殺されたくなかったら消えろ!」

関口が言うと

「解ったよ。」

と言って男は駅の方へ戻って行った。

「あいつ行きましたね。」

関口が言うと

「ありがとうございます。」

久美子は言った。

「それじゃ気をつけてね。」

関口は言って立ち去ろうとした。久美子は

「今度お礼をさせてください。」

と笑顔で言った。久美子に言われると嬉しさを隠せない関口であった。

「また明日ね。」

育子は同じ卓球部のゆき乃に言った。

「明日からがんばろうね。」

ゆき乃は言って手を振った。駅前でゆき乃と一緒に歩いていた。ゆき乃と違って少し時間に余裕がある育子は都心のおしゃれな店を見て回ろうと育子考えていた。少しだけおしゃれな気分を味わって気分をリフレッシュして明日からは始まる本格的に大学生活に備えるのだ。当分は卓球の練習で忙しくなるのが育子には解っていたのである。今日はつかの間の休息と言えば大げさであるがメンバーと楽しく過ごしたあとであった。駅前はいつものように賑わっていた。育子が赤信号で待っているとキャッチの男が声をかけてきたのである。

「ちょっと良い。」

男が言うと

「何か?」

育子は言った。

「良いバイトがあるけどどうだろう?」

男は軽いのりの言葉で言った。

「興味ないです。」

育子は言った。ここまでの育子は久美子と同じであった。

「そんな事言わないで話を聞いてよ。」

男が言うと信号が青に変わった。育子は歩き出して

「他の女性に声をかけてください。」

と言った。男は急に怒りを表情に出して

「かっこつけるなよ。」
と言った。育子は男を無視して交差点を渡っていた。

「かっこはつけていません。」

育子は言って男を無視し手歩いていた。男は

「ふざけやがって!」

男が言うと

「別にふざけていないよ。」

育子は言った。男は怒った表情で育子の手首を掴もうとした。その瞬間に育子は逆に男の手首を掴んで締上げていた。

「痛てえ!」

男が悲鳴に近い声を出した。

「ふざけていないって言ったでしょ?」

育子が言うと

「痛てえ!」

男はさらに大きな声で悲鳴を出した。

「あなたのやっている事は道路交通法違反だって知っている?」

育子は言うが力を緩めていない。

「解ったよ。」

男が言った。周囲を歩く人たちが不思議そうに育子たちを見て通り過ぎて行った。

「だったら見苦しいから行きなよ。」

育子は言って男の手首を締め上げている力を緩めた。それでも男の手には激痛が走ったままであった。
「育子さん。」

翔太が言って走って来た。手を押さえた男を見たあとに育子を見た。

「珈琲でも飲みに行こうよ。」

育子が平然と言うと翔太は

「育子さんは合気道の有段者でしたね。」

と言った

「この男がしつこいからよ。」

育子は言った。育子は外見に似合わず逞しかったのである。

「それはよかった。」

翔太は安心して言った。