雨のあとに虹 その130
「久保田直子です。」
少し緊張気味で直子は言った。ホテルの一階にある高級な喫茶店は落着いていて話がしやすいのである。40歳代半ばに見える斉藤弘子は
「斉藤弘子です。」
と言った。
「はじめまして!」
直子が言うと
「こちらこそ。」
弘子は言った。
「今日はよろしくお願いします。」
直子が言うと
「貴志さんから軽くお話を聞いています。」
弘子は言った。
「それならお話は早いですね。」
直子が言うと
「久保田さんは女優さんですってね?」
弘子は言った。弘子は全身にどことなく危険な雰囲気を漂わせていた。
「私が専属モデルになれるお話は本当でしょうか?」
直子は心配そうな表情を浮かべて言うと
「貴志さんから聞いてなかったの?」
弘子は言った。
「大まかには聞いています。」
直子が言うと
「私は顔が利くから大丈夫よ。」
弘子は言った。
「それなら安心しました。」
直子が言うと
「そのためには少しお金がかかるけどね。」
弘子は含みを持たせたて言った。
「お客様はこちらへどうぞ。」
久美子が言うと
「お次のお客様お待たせ致しました。」
ひとみが次の客に言った。
「店長と堀川さんは息がぴったり合っていますね。」
小百合は驚いて言った。
「セットはこちらのお客様です。」
久美子が言うと
「次もすぐにできるからね。」
ひとみはいつになく気分は明るく言った。久美子に打明けた事で心に痞えていたものが取れたようであった。
「ブレンドお待たせ致しました。」
久美子も気分よく明るい声で言った。
「私にはふたりのまねはできないな。」
小百合はふたりを見て言った。
「この時間ではパトロール隊の必要はないかな?」
手塚が言うと
「せっかく集まったのだからやりましょう。」
俊之は言った。
「そうだよね。」
メンバーのひとりが言うと
「僕たちが時間に関係なく大々的にパトロールをする事で抑止力になると思いますよ。」
俊之は言った。
「それではみんなでパトロールしよう。」
手塚が言った。集まった町内の人たちも一緒に巡回する予定であるが絹江も一緒にいるところがパトロール隊の雰囲気を和ませていた。
「それでは公園を回るルートでパトロールしましょう。」
手塚が号令をかけるように言った。