雨のあとに虹 その45
「高村のおとうさんは遊び人で最後は消費者金融にかなりの借金を残して死んだと聞いた。」
矢島が言うと
「それはひどいおとうさんね。」
早苗は言った。
「高村や高村のおかあさんは借金取りが来て対応が大変だったそうだ。」
矢島が言うと
「おかあさんも大変だったのね。」
「最初はお母さんの親戚から縁を切られて次におとうさんの親戚からと寿序に絶縁状態になって最後に妹夫婦からも手切れ金を渡されて絶縁状態になってまった。」
「妹さんがいらしたの?」
早苗は言うと
「4つ年下の妹さんだ。」
矢島は言った。
「妹さんも冷たいわよね。」
早苗は怒るように言った。
「不幸は続くものでお母さんも心労がたたって後を追うようにこの世を去ってしまった。」
矢島が言うと
「高村は天涯孤独の身になったのね。」
早苗は言った
「そうだ!」
矢島は言った。
「会社を辞めたのはそれが原因なの?」
早苗は言った。
「それは解からない。」
矢島が言うと
「その辺に理由がありそうね。」
早苗は言った。
「いずれ時期が来たら聞いてみるつもりだ。」
矢島は言った。
「かわいそうだわね。」
早苗は言った。
「うちもあの時は経営が苦しかったから友人一人雇う余裕がなかったからな。」
矢島が言うと
「あの時はどこもみんな大変だったわね。」
早苗が言うと
「俺はとはあの時ほど経営者として情けなく思った時はない」
矢島は言った。
「世の中が一番苦しかった時ですものね。」
早苗は言った。
「高村はおとうさんの幻影を振り切らなければいけない。」
矢島は言った。
「強い意志が必要よね!」
早苗が言うと
「俺は2代目社長として親父を越えるために壁を乗越えなければならと思っている。」
矢島は強い口調で何かを決心したように言った。
「高村さんは私にはとても良い人に見えるけど店長はそう思っていないようですね。」
久美子は言った。
「そんな事はないわよ。」
とひとみは言った。
「何か高村さんに恨みがあるように見えますよ。」
久美子は思い切って言った。
「それは誤解よ。」
ひとみは誤魔化すように言った。
「そうですか。」
久美子が言うと
「当たり前じゃないの!」
ひとみは言った。久美子もそれ以上は何も言わなかった。