雨のあとni虹 その34 | 開運童子のブログ

雨のあとni虹 その34

俊之は織田の会社を出た。少し時間に余裕がるからゆっくり移動しても間に合う。天気が良い日はゆっくり散歩をするのも良いと思っていた公園でも散歩しようか?名度々考えて都心のビルの谷間を歩きながら高層ビルを見ていた。自分も以前はあのようにビジネスマンとして組織の一員として仕事をしていたのだ。そんな事を考えていた時である。

「高村くん。」

言われて声のする方を見る。 俊之が三友商事に在籍中の上司が目の前にいたのである・

「山本さん。」

俊之は言った。

「久しぶりだね。」

山本は言った。山本は50歳を少し過ぎたばかりである。

「ご無沙汰しております。」

俊之は言った。山本の顔を見ると懐かしさがこみ上げてきた。

「少しやせたようだが元気そうじゃないか?」

山本が言った。

「山本さんもお元気そうで何よりです。」

俊之は言った。

「あのあと本社が湾岸沿いに移転してね。」

山本は言った。

「それは存じています。」

俊之が言う。

「一度会社に顔を出さないか?」

山本は言った。

「それは構わないですよ。」

俊之は言った。

「高村くんとはあらたまって話がしたい。」

山本が言って俊之に名刺を差し出した。俊之は名刺を受取り

「近いうちに是非お邪魔させていただきます。」

と言って自分の名刺を山本に渡した。山本は俊之の名刺を受取って

「時間がないからまたゆっくり会おう。」

と言った。

「はい!」

俊之が言い終わらないうちに山本は待たせていた車に乗った。車はスタートするとスピードを上げて走り去って行った。俊之は山本を乗せた車を見送っていた。

「少し時間があるから高村の事で俺が知っている事を話しておくよ。」

矢島は社長室で妻の早苗に言った。

「どんな事なの?」

早苗は言った。早苗は以前から興味があったので早く聞きたくなったのである。

「高村のご両親は今で言うできちゃった結婚だったそうだ。」

矢島が言うと

「あの時代に大変だったでしょうね。」

早苗は言った。

「おかあさんが妊娠された時におとうさんは中絶させようと思っていたそうだ。」

矢島が言うと早苗は

「かわいそうに!」

と言った。

「おとうさんはそうとうな遊び人だったらしい?」

矢島が言った。

「そうだったの?」

早苗は言った

「おかあさんはいざ病院へ行こうと思うと母性が働いたためか高村を生みたくなったそうだ。」

矢島は言った。

「女ならみんなそういうものよ。」

早苗は言った、

「おかあさんは中絶して金持ちの御曹司と見合いをする予定だったそうだがね。」

矢島が言った。

「仕方がないわよ。」

早苗が言った。

「妊娠した事を自分の親とおとうさんの親にも何らかの方法で伝えたらしい。」

矢島が言うと早苗は

「こういう噂は広がるのが早いのよ。」

早苗は言った。

「いろいろと両家の家族で話し合って最終的には結婚して高村を生んで育てる事にしたそうだ。」

矢島が言うと早苗は

「一番良い方法よね。」

と言った。

「おとうさんは怠け者だったのでおかあさんは苦労したらしい。」

矢島が言うと早苗は

「男として最低だわ。」

と言った

「それはそれでも時間と言うものは家族を創り上げるもので妹さんの静江さんも生まれ周囲から見ると平凡な家族に見えていたそうだ。」

矢島が言った

「良かったじゃないですか?」

早苗が言う。

「その時点ではそうだな。」

矢島は言った。

「高村さんはかわいそうね」。

早苗は言った。

「高村のご両親は静江さんを可愛がったが高村はそんなに大事にされかったらしい。」

矢島が言うと早苗は

「そんな事って!」

と言った。

「学校も妹さんは幼稚園から私立だが高村は公立だった。」

矢島は言った。

「それは成績の違いからなの?」

早苗は言った。

「高村は頭が良かったから首都圏大学に入学したけどな。」

矢島が言った。

「首都圏大学とは優秀ね。」

早苗は言った。

「俺も高校に入ってから知合ったから噂を聞いただけだけどな」

矢島が言うと

「本当ならかわいそうだわ。」

早苗が言った。

「高村はそんなハンデを克服して首都圏大学から三友商事に入社するのだが高校時代に俺に変な事を言ったな。」

矢島は言った。

「変な事って?」

早苗が言う。

「親と言うのは子供の帰りが遅かったら心配するものなのか?とね。」

矢島が言った。