雨のあとに虹 その16
「これから時間ありますか?」
田崎が言った。
「大丈夫だよ。」
俊之は言った。
「これから歓迎会をしようとも思いましてね。」
田崎が言うと
「そんなに気を使わなくても良いよ。」
俊之が言うと田崎が
「そうはいかないですよ。」
と言う。
「僕は週に何日も出勤しないよ。」
俊之が言うと田崎は
「そんな事は言わずにみんなで楽しくやりましょうよ。」
と言った。
「みなさんの予定あるだろうからから悪いよ」
俊之が言うと
「そんな事ないですよ。」
と田崎が言った。
「それならせっかくだからみなさんと親睦を深めようかな!」
俊之が言った。
「それなら決まりでカラオケでも行きましょうよ。」
田崎が言った。調子が良いと言えばそれまでだが明るい雰囲気に俊之もつい浮かれてしまいそうになる。みんなで楽しく飲みに行くのは久しぶりである。矢島はいい社員を持って恵まれている。羨ましく思うが苦労もあるだろう。人の上に立つと言う事はその人たちの人生を預かるという事だ。プレッシャーもあるがやりがいもあるはずだ。など俊之が考えていた時である。俊之の携帯がなった。発信表示には知らない番号が表示している。
「高村です。」
俊之が言うと久美子は
「堀川です。」
と言った。
「トレンドカフェの店員さんだね。」
俊之は言った。
「はい」
久美子が言うと俊之は
「電話をくれるとは思ってなかったよ。」
と言った。
「今お話して大丈夫ですか?」
久美子は言った。
「大丈夫だよ。」
俊之が言うと久美子は
「急に電話をしてすみません。」
と静かに言った。
「よく僕の番号が解かったね。」
俊之が言うと
「あの時に名刺をいただきましたからそれでかけてみました。」
と久美子が言った。
「そうだったね。」
俊之は言った。突然の事で俊之は次の言葉が出なかったが久美子が電話をくれた理由はなんだろうと考えていたのだ。
「高村も俺も父親をという過去に勝たなければならない。」
矢島が言うと
「高村さんにお父さんとの間に何かあったの?」
早苗は言った。
「そういう意味では同じ目的がある。」
矢島が言った。
「男の人って大変ね。」
早苗が言うと
「高村が俺に協力する代わりに俺も高村を助けることになるだろう?」
矢島が言うと
「私も協力するわ。」
と早苗が言った。
「あいつもこれからの人生をもっと良いものにしたいだろうからな」
矢島が正直なところを言った。
「私はいつでもふたりの味方よ。」
と早苗は言った。
「俺も高村も今が正念場だからな。」
矢島が言うと
「高村さんにはやはり何かあったのね。」
早苗は言うと矢島は
「あいつにはいろいろあったよ。」
矢島は言った。
「何か訳がありそうだとは思ったのよ。」
と早苗は言った。
「お前もたまには高村に優しい言葉をかけてやってくれ。」
と矢島が言う。
「それはかまわないけど」
早苗が言う。
「理由はいずれ話すよ。」
と矢島は言った。