雨のあとに虹 その11
「急に電話をしてすまないね。」
天門は電話の向こうで言った。
「僕なら大丈夫です。」
俊之は場外馬券の売り場のざわめきを避けてから電話に出たのだった。
「実は例のテレビの件だけどね。」
天門が言った。
「はい。」
俊之が言うと
「漫画家の桑田先生がテレビの内容を本にしたいそうだよ。」
天門が言った。
「本ですか?」
俊之は言った。
「うん。」
天門が言う。
「それは凄いですね。」
俊之は嬉しそうに言った。
「高村さんにも取材を受けて貰えるとありがたいけどね。」
天門が言うと
「天門先生のご依頼なら何をおいても協力させていただきますよ。」
俊之は言った。
「あの有名な桑田先生が開運法に興味を持ってもらえたよ。」
天門が言った。
「僕は自分事のように嬉しいです。」
俊之が言うと。
「高村さんの運気アップにも拍車がかかるといいね。」
天門は言った。
「千晴。」
純一に言われて
「何か用なの?」
千晴は言った。
「何処かに行くのか?」
純一に言われて
「友達の所よ。」
千晴は言った。
「本当か?」
純一が言うと
「本当だよ。」
と千晴が言って石井園と書かれた玄関を出て行こうとした。
「俊之さんと会うのは止めろよ。」
純一は言った。
「どうしてなの?」
千晴は言うと
「どうしてもだめだ。」
純一は言った。
「私がおじさんに会うと困る事でもあるの?」
千晴は言った。