最後には
結局、ただのさみしい宇宙人だったんだと
ボクは気がついた。
宇宙人は最初、
体にピカピカ光る金色をつけて
UFOみたいなものに乗って
現れた。
金ぴかに目がくらんだ人達は
ただただ、すごいすごい！と
褒めたたえた。
だから
宇宙人は、うれしくて
もっと金ぴかを追加した。
ペタペタと金ぴかで塗りたくった。
すごい、さすが宇宙人だ。
すごい、すごい！
金ぴかがまぶしくて、
目を細めながら
人々は宇宙人を称えた。
宇宙人は、金ぴか商法をひたすら繰り返した。
それしか知らなかったから。
そのうち、人々の目が慣れてきた。
あの金ぴか、メッキじゃないの？
金色の折り紙貼っただけじゃない？
へーんなの。
誰も宇宙人のことを
気にしなくなってしまった。
焦った宇宙人は
ひたすら金ぴかを塗りたくった。
そうするしか人々の気をひく方法を
知らなかったから。
マエハ
タクサン
アツマッテキタノニ
ドウシテダ
ドウシテダ？
モットアツマレ
モットタタエヨ
モット
モット
宇宙人は突然、さみしくなった。
初めて
サミシイ
を知った。
地球のサミシイを知った。
涙は出なかったけど。
そもそも宇宙人は
体内に水分なんて持ってないから。
カエロウ。
ワタシノホシハ
ココジャナカッタ。
やっと気が付いたようだ。
遠くから宇宙人を観察していたボクは
心からホッとした。
宇宙人さん、サヨウナラ。
君の星は、ここじゃないよ。
ボクたちは幸せだから、大丈夫。
『カエッテオイデ。』
ほら、君の星から、
君を待つ声が聞こえる。
バイバイ。
気をつけて帰ってね。
wai