大学時代には、悩みが尽きなかった。ある時、どうしようもないほど落ち込んだ。メンタルが非常に弱かったので、顔色が一気に悪くなった私を見て、先生に…


どうした?相談にならいつでものるからさ、なんでも言ってくれるかな。と、言われたけど、色々とあり過ぎて、言えば自分が惨めになるからと、その時は断った。


気が変わったら、いつでも言ってくれないか?どんなに俺が忙しそうにしていても、声をかけてくれ。夜中に電話してくれてもいいからな。


と、言われた。言いたくないというよりも、どのように説明していいのか分からなかったのもあった。ただ、段々しんどくなってきて、研究室で先生に、今いいですか?と聞いたら、すぐに手を止めはって…


君、気が変わったのか?すぐにお茶を淹れるから。と、お茶を淹れてくれはった。私の前へ座りはった。上手く説明できないけど…と、最初に言ってから、実は最近、全ての望みがなんだか私の思いの逆に走っているような気になっていると言った。全てが、ものの見事に、負に向かっていてしんどいと言った。


それは、辛いな。可愛そうに。と、先生は言い、しばらくしてから…

  

そうだ、戻ってくれば?君、戻っておいでよ。逆に走っているのなら、戻ってきなさい。俺がさ、待っていてあげるから。と、言ってくれはった。


涙が溢れた。かなり、楽になった。


それ以来、今でもそうなんだけど、なんとなく…自分との思いと、物事が逆に走っているような気になると、心の整理をする。その時には先生の、君、戻っておいでよ…が今でも心に響く。