大学の図書館のロビーでは新聞が読めるようになっていて、毎日私はチェックしていた。ある日、見かけないおじさんがいて、声をかけられた。


ロビーまでは、外部の人が入る事ができるから、そのおじさんは、新聞を読みに来ていた。なんとなく、直感で、この人、マズイかも…と感じた。


案の定、ドライブに行きませんか?とか言い初めて。お断りして、私は図書館の中へ行った。その人は、図書館の中には入れないから、ちょうどいい、逃げ場所だった。


だから、新聞はその人がいない時に読むようにした。たまにめちゃくちゃ長居をしていて、何度もロビーを見ては、図書館の中に戻った。


ある日、そんな私を先生が図書館で見たから…


君、さっきから何度も出たり、入ったりどうしたんだ?誰かを待っているのか?と聞かれたから、その逆で…と説明した。ただ、私はその人には何もされていないから、注意はできないと言われた。


じゃあさ、俺が君の横で本を読んでいるから、新聞を読んだら?と、言ってくれはったから、そうする事にした。


ただ、新聞がその人の近くにあった…先生が気を利かして…


俺がとってきてあげるから。と言って、わざわざ取ってきてくれはった。読み終わったら、また別のを取ってきてくれはった。悪いな…と流石に思って、先生にありがとうとお礼を言って、お忙しいのにごめんね…と言ったら…


授業がないから全然構わないから。と言ってくれはった。全紙の国際面を読み終わったので、スッキリした…と言ったら…


明日はどうするんだ?また来てあげてもいいよ。と言ってくれはったけど、いくらなんでも、教授にそんな事は頼めない…とお断りしたけど…


構わないから。と何度も言われたから、お言葉に甘えた。3日ほど付き合ってもらったけど、3日目には例の男性はいなくなった。先生に、お礼をしたいと言ったけど…


お礼?そんなのはいいから。と言われた。でも、何か買っていこうと思って、翌日、デパ地下に寄って、私の好きな物を買って研究室に行った。


先生にありがとうございました…と渡したら…


これはなんだ?と聞きながら中を見て…笑ってはった。💧


今、ハマってるお豆腐。めちゃくちゃ美味しいからどうぞ。と言ったら…


お豆腐も…学生からはさ、一度ももらった事がないな。と、笑ってはった。


あらっ…。💧


でも、プリンのように食べられて、なかなかいけるから、食べてみてくれと言った。


数日後、先生に呼び止められて、あのお豆腐は、本当に美味しかったと言われた。


君、本当に、個性豊かだな。君からだと、絶対にクッキーの詰め合わせのイメージなんだけどな…。と、また言ってはった。