麻布の堤私邸敷地内に昭和中期から長い間、米莊閣(べいそうかく)という迎賓館があった。
今はもう取り壊され、跡形もない。
戦時中では東条英機、戦後は竹下登、安倍晋太郎、宮沢喜一が集うこともあったとのこと。
私が知っている米莊閣は改装後のもの。
庭があり、ホテルのような建物だった。
展覧会や美術展があった際には外国の来賓を呼んでパーティーをしていたようだ。
私はここにイベントの関係で3度行った。
1度目はイベントの下見、2度目はイベントの準備、3度目はイベントの開催。
米莊閣では会長が定期的にグループの幹部を集め「勉強会」を行っていた。
まず、門扉は厚く高い木の巨大な門扉。城の門扉を想像してほしい。
右側に小ぶりな木戸が有り、大きな監視カメラと大きなSECOMの文字。
カメラに向かって大きな声で名乗るとガードマンが木戸を一瞬開けてくれる。
正面に車寄せがあり建物内の床は白い大理石で出来ていたため、
荷物の搬入には「白ベニ」という引っ越しなどで使うプラスチック製の白い板を敷いた。
簡単に言うとホテルだ。宴会場にイベントのセッティングをした。
すぐ横は堤氏の私邸で、室内プールが見えた。誰か泳いでいた。今から40年前の話だ。
当時業務に携わっていた人は今はもう誰も居ない。