●お名前  Jさん 

●被害に遭われた時期 約20年前 

●被害に遭われた場所 川口市前川 

 

あるときから社用車のガソリンの減りが速いような気がすると違和感を覚えました。 その後、終業時にガソリンを満タンにして駐車しておいたのに

朝になるとガソリンが減っているという異変に気付きました。 

当時は従業員がすぐに使えるように車の鍵はダッシュボードに 入れていました。 

 

これはおかしいと思い疑念を検証するために夜ガソリンを満タンにした後 

タイヤに石を乗せておくと案の定、翌朝石は下に落ちておりガソリンも半分まで

減っていました。 

やはり誰かが夜中に勝手に車を乗り回しているのだと確信しました。

違和感を覚えてから10日位あったかと思います。 

その間に犯人はかなり大胆になっており中東系の音楽が入ったカセットテープを

入れたままにしたりタバコやカラの財布、何故か所沢の住所が書かれた

日本人の免許証も車の中に残していました。 

警察に通報するも現行犯でないと捕まえられない、朝には必ず戻るといっても 

いつ戻るか分からないのに待機はできないと言われ、いったん引き下がるしか

ありませんでした。 

 

次に思い付いたのが 車にGPSを搭載することです。 

その旨を警察に伝え車が動き次第110番通報をするということになりました。 

ある夜、車が動き西川口方面へ向かうのを確認しました。 

すかさず110番通報し万が一、人を巻き込んではいけないので追いかけ回さないで欲しい、毎回必ず駐車場に戻るので、そこで捕まえて欲しいとお願いすると 

警察も了承してくれました。 

私は別の車に乗ってその駐車場で待機し犯人確保の瞬間を捉えようとしていました。 しかし、警察はけたたましい サイレンを鳴らしながらパトカーや覆面パトカーで 

犯人を追跡し始めました。

あまりに凄まじいサイレンだったためとっさにGPSで検索して車を走らせると 

盗まれた車両とすれ違い、運転手は中東系の外国人であることがわかりました。 

逃走を続ける車は街路樹に突っ込み大破しました。 

動かなくなった車を乗り捨てて犯人グループ3人は逃走しました。 

 

その後の捜査はなぜか進展がなくモヤモヤした日々をおくるなか 

偶然にも近所のアパートで逃亡した中東系外国人とよく似た人物を発見しました。 

警察に情報提供したところ 犯人はその住人の親戚と判明し1名逮捕に至りました。 

事件から数か月経っていたと思います。

逮捕後、犯人は難民申請中の クルド人と警察より説明がありました。 

警察からは、強制送還になると 説明がありましたが、その数ヶ月後に

蕨駅で見かけた人物は裁判で確認した犯人の顔と瓜二つでした。 

 

車は全損となりましたがクルド人側に支払い能力がないため泣き寝入りとなりました。 

警察の対応等どうしても納得できず弁護士を探しましたが、5件訪ねて全て断られました。 警察相手や支払い能力のない外国人相手の裁判は、受けてくれるところはありませんよとまで言われました。 

また、犯人に駐車場や家を特定されてしまっているため、警察に不安を相談したところ、 引っ越しの提案をされました。 まだ子どもも幼かったため、家族の身の安全を第一に考え引っ越しをしました。 

悔しさや理不尽な思いでいっぱいのなか、人を巻き込んだ事故でなかったことだけが不幸中の幸いでした。

 

何の落ち度もない人々がある日突然犯罪に巻き込まれ 、

我をしたり命を落とすようなことがあったらと思うと我が身に置き換えずとも 

そら恐ろしいことです。