シュンとママが、線香花火の最後の一本をバケツに落とした時でした。
川原なでしこの花びらに、一匹のほたるがとまり、話しを始めました。
「ぼくは、昨日の夜 そこの大きな杉の木のてっぺんに、のぼったんだ。そしたら 遠くにもぼくらの仲間がいたよ。ぼくらの何倍もの大きさで、おどろいたよ」
シュンのママはそれを聞くと、とても悲しそうな顔をしました。
ほたるが見たのは、人間が住む灰色の町のあかりでした。
ママがまだ子供の頃は、この森はもっと広く果てしなく続いていて、人間の町はとても小さかったそうです。
それが、いつの頃からか、森の動物たちがとうめいな袋に顔をつっ込んで、息ができなくなりそうになったり、近くの小川で魚が死んでいたり、
手の無い赤ちゃんが生まれてしまったりと、悲しい出来事がたくさん起こり始めました。
それと同時にどんどん、人間の町は大きくなりこの森は小さくなって行きました。 つづく