• 23 イルカのルカへ

    「やっやべぇ。早く帰らないと、とうちゃんになぐられる」

    「えっ?」

    「おれんちのとうちゃん すぐなぐるんだ。

    今日はお手伝いする約束なんだよ。じゃぁな」

    そう言うとねこのドラは、遊びをやめて走って家へ帰りました。

    「とうちゃん。ただいまぁ」

    ドラのパパは、背中をより丸くして浮きをけずっていました。

    「おう。おかえり。ドラ、おめえは虫さんのにせもの作りな。かあちゃんが、てぐすを持って帰るから、そしたら、さおにそれをつけな」

    パパは漁師さんであり、魚屋さんでもあります。

    魚をつかまえるために使う道具は、家族みんなで作ります。

    「とうちゃん。ドラ、今帰ったよ」

    ママが、細いとうめいな糸を持って帰って来ました。

    「かあちゃん、おかえり。ねぇ、とうちゃん。なんで魚さんをつかまえるのに、にせものの虫さんをつけるの?」

    「ばかたれ。つりをするたびに虫さんにお亡くなりなっていただいちゃぁ、もうしわけないだろ。おいらたちが生きる為に魚さんに成仏してもらってる。そのうえ虫さんまでなんて…ばかたれ!」

    くすっ。ばかたれは、ドラパパの口ぐせのようですね。

  • 続きへ