• 16 ハルおばあちゃんへ

     ハナコがしくしく泣いています。

    「どうしたの?」

    シュンとハルナが、聞きました。

    「あのね…内緒にしてね」

    そう言ってハナコは、泣いている理由を話てくれました。

    ハナコは、ハナコのママに買ってもらった大事なかみどめを、いのししのポーが、知らずに踏んで壊してしまったそうです。

    「でも、わざとじゃないから、ポーには、また買ってもらうからって、嘘をついたの…。でももう、本当はお店には売ってないの」

    シュンとハルナは、

    「…」

    何と言って良いかわかりませんでした。

     シュンは、ママから聞いた話を思い出しました。

    小さな女の子が、赤いくつをお店のショーウインドウの前で、来る日も来る日もながめていたそうです。

    ある日、お店のおじさんが出てきて、

    「おじょうちゃん。それが欲しいのかい?」

    と、聞きました。

    すると、女の子は、元気良く

    「はいっ!」

    と、言いました。

    しかし、女の子は、きゅうに顔をふせて

    「でも…、ママに言ったら、お金が無いからがまんしなさいって言われたの」

    と、つづけたそうです。

    おじさんは、毎日 そう雨の日も雪の日も女の子が、見ていたのを知っていました。

    おじさんは、

    「そうかい、夕べそのくつがね。おじさんに言ったんだ。『ぼくを本当に好きな女の子が、毎日見つめてくれています。どうぞ、その子にぼくをわたして下さい』って」

    と言いました。

    「えっ」

    そして、おどろいている女の子に

    「あぁ、だから持っておかえり。お金はいらいないよ。くつのやつが、そう言うんだから しょうがないからね」

    そう言っておじさんは、笑いました。

    「ありがとう!おじさん大事にするね!」

    女の子はよろこんで持って帰ったそうです。つづく

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