ハナコがしくしく泣いています。
「どうしたの?」
シュンとハルナが、聞きました。
「あのね…内緒にしてね」
そう言ってハナコは、泣いている理由を話てくれました。
ハナコは、ハナコのママに買ってもらった大事なかみどめを、いのししのポーが、知らずに踏んで壊してしまったそうです。
「でも、わざとじゃないから、ポーには、また買ってもらうからって、嘘をついたの…。でももう、本当はお店には売ってないの」
シュンとハルナは、
「…」
何と言って良いかわかりませんでした。
シュンは、ママから聞いた話を思い出しました。
小さな女の子が、赤いくつをお店のショーウインドウの前で、来る日も来る日もながめていたそうです。
ある日、お店のおじさんが出てきて、
「おじょうちゃん。それが欲しいのかい?」
と、聞きました。
すると、女の子は、元気良く
「はいっ!」
と、言いました。
しかし、女の子は、きゅうに顔をふせて
「でも…、ママに言ったら、お金が無いからがまんしなさいって言われたの」
と、つづけたそうです。
おじさんは、毎日 そう雨の日も雪の日も女の子が、見ていたのを知っていました。
おじさんは、
「そうかい、夕べそのくつがね。おじさんに言ったんだ。『ぼくを本当に好きな女の子が、毎日見つめてくれています。どうぞ、その子にぼくをわたして下さい』って」
と言いました。
「えっ」
そして、おどろいている女の子に
「あぁ、だから持っておかえり。お金はいらいないよ。くつのやつが、そう言うんだから しょうがないからね」
そう言っておじさんは、笑いました。
「ありがとう!おじさん大事にするね!」
女の子はよろこんで持って帰ったそうです。つづく