ある日、ダックは自分の捨てられていた所に、行ってみたくなりました。
そして、森の入り口へひとりで行きました。
「ぼくは、ここに捨てられていたのか」
ダックが、ぼんやりと草むらを見つめていると、とつぜん後ろからひょいと人間にかかえられました。そして、車に乗せられて、つれ去られました。
シルバーおばさんも森のみんなもとても心配して探し回りましたが、もう森で見つけることは できませんでした。
「私の赤ちゃんは、みんないなくなるのね…」
シルバーおばさんは、とても とても悲しみました。
何日か経って、すずめのチッチがおおあわてで、町から帰って来て言いました。
「みんな、みんな。ダックがいる所がわかったよ。ダックは、とっても元気でね。シルバーおばさんに 元気だと伝えてって、たのまれたよ。今度の木曜日 こっそり抜け出してみんなに会いに来るってさ」
ダックは、町で一人ぐらしのおばあちゃんと暮らしているそうです。そして、とてもかわいがってもらっているそうです。おばあちゃんのむすこさんが、森に来た時ぐうぜんにダックを見つけました。
おばあちゃんが、一人ぐらしで さみしいだろうと おばあちゃんの話し相手にダックをつれて帰ったそうです。すずめのチッチが赤い実を食べに行く家の庭でダックに出会って、その話を聞いたそうです。
そして、木曜日にこうして会えたのです。
「元気で良かった」
シュンが、ダックに ほほえみました。
「うん。なかなか抜けられなくてね。でも とてもやさしくしてもらっているから、心配しないで」
「森に帰っておいでよ」
シュンやシルバーおばさんが、いいました。
「それが、ぼくがいなくなると 人間のおばあちゃんが、とても悲しむんだ。だから…」
―お世話になっているのは、
動物ではなく人間かもしれません―
「そっか。はなれていてもいつも思ってるよ」
「うん、時々来るよ」
「みんなで、待ってるよ」
ダックは、夕ぐれまで みんなと遊んでおばあちゃんの所へ帰っていきました。 おしまい