• なみだの最初へ

    「ほら こっちにきてごらん」
    おかあちゃんが だいどろこのごはんをつくるところに ぼくをよびました。
    「はい。 これで たまねぎを きってみて」
    おかあちゃんは いつもおかあちゃんがりんごのかわをきってくれる、ちいさなほうちょうをかしてくれました。
    そこで、ぼくは たまねぎを トントンとゆっくりきってみました。
    あ あ あ・・・?? あれ? なみだが・・・
    ぼくは、かなしくもないし うれしくもないのに なみだが ぽろぽろとでてきました。
    「あらあら」
    そういいながら おかあちゃんは、ティッシュを いっぱい はなに あててくれました。
    チーン

    ぼくは、いたかったりかなしかったりしたときのように、ティッシュでチーンをしました。
    「おかあちゃんが ないていたのは このせいよ」
    「なんで なみだが でるの?」
    「そのうち わかるわよ」
    おかあちゃんは、にっこりしながらいいました。
       そのうちって・・・ いつだろう?!
    でも おかあちゃんに、そのうちが いつか きくと、そのうち としか いいません。

    なんどきいても、そのうちとしか いいません。

    それでも、ぼくがきくと おかあちゃんはこわいかおになったので、ぼくはきくのをやめました。
    ぼくは、なみだには いろいろ あるのだと おもいました。
    「カレー いっぱい おかわりしなさいね」
    やさしいかおになったおかあちゃんに、いわれて ぼくは こころのなかで つぶやきました。
    そのうち…。                    おしまい