「私の言う事がきけないのなら、あなたなんかいらないわ!」

美しい顔を、鬼の様な怖い顔にしてプリンセスはそう叫びました。

とてもわがままなプリンセスに、何人の家来がお城から追い出されたことでしょう。王様は、一人娘であるプリンセスをとてもかわいがっていて、プリンセスの言うことなら何でも聞いてしまいます。

 ある日の午後、王様とおきさき様がおやつを楽しんでいる時でした。

「大変です。プリンセスがおけがをなさいました!」

家来の一人が、大あわてでやって来て言いました。

 普段は大人しいプリンセスの馬が急にあばれ出して、プリンセスを振り落としてしまったのです。しかもそのせいで、プリンセスの顔の右半分にはみにくい傷が残ってしまいました。さすがに、気の強いプリンセスも顔にみにくい傷があっては、恥ずかしくて人の前に出ることができなくなってしまいました。それからと言うものプリンセスは、ずっと自分の部屋にとじこもるようになりました。食事も部屋のドアの前に置くように言って、誰も部屋の中に入れようとはしません。

その話は、すぐに国中に広まりました。国中のみんなは、いい気味だと言って笑いました。しかし、森に住むりょう師のパルだけは、違いました。パルはその話しを聞いて、かわいそうだと思い、森の美しい花をブーケにしてお城へ持って行きました。

「プリンセスに差し上げたくて」

そう言って、美しいブーケを門兵に見せると門兵は、小さな声でパルに言いました。

「お前も物好きだな。とんでもない悪い性格で顔に傷のあるプリンセスなんかにおくり物をするなんて、お前は殺されても良いのか?」

すると、パルは少し怒ったように言いました。

「何を言うのだ。プリンセスは、この国のプリンセスじゃないか。この国のみんながなぐさめてさしあげなければいけないのだ」

門兵は、パルの強い言葉にプリンセスの部屋へとパルを案内しました。

 しかし、パルが何度プリンセスの部屋のドアを叩いてもプリンセスは返事をしません。

パルは大きな声で言いました。

「プリンセス。森のりょう師のパルと言います。ごきげんはいかがですか?今日はプリンセスに森の花達を持って来ました。とてもきれいですよ」

すると、部屋の奥から怒ったような声がしてきました。

「うるさいわね。とっととお帰り」

パルは、それを聞くと

「わかりました」

そう言って、ブーケをプリンセスの部屋のドアの前に置くとすぐに森へと帰りました。

                                         つづく

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