それから毎日パルはプリンセスに会いに行きました。雨の日も歩くのが辛い程の強い風の日も。そして、毎日同じセリフを言ってブーケを部屋のドアの前に置いて帰りました。

 パルがプリンセスの所に通い始めて100日経った時でした。

プリンセスの部屋のドアが音を立ててゆっくりと開きました。

長い髪で自分の顔の傷をかくしながら

「ばかにでもするために来るの?!」

そう言ってプリンセスは、パルの前に姿を現しました。

「いえ、ばかにするのならば ここには来ません。プリンセス、あなたは欲しい物なら何でも持っていらっしゃいました。しかし、その中の一つを失くされたではないですか。だから 一つ差し上げに来ました」

すると、プリンセスはいじ悪そうな声で

「私は、何を失ったのかしら?」

と言って、プリンセスはパルの顔をじっと見ました。

「それは、自信です」

プリンセスはそれを聞くと、はっとした顔をした後で何も言わずに、パルを自分の部屋の中に入るようにと手まねきをしました。

しかし、

「これで安らいで下さい」

そう言うとパルは、すぐに持って来たブーケをプリンセスに渡して森へと帰ってしまいました。


次の日、パルはお城に呼ばれました。

プリンセスがパルと話しをしたいと言っているからです。パルは、殺されるのかもしれないと思いましたが、お城へと行きました。

すると、プリンセスはほほえみながら、

「森はきれいな所なのね。行ってみてもいいかしら?」

と、言いました。

 パルは、プリンセスを連れて森へと行きました。しかし、プリンセスが森へ行きたいと言ったのにはわけがありました。実はプリンセスは、森の美しい花達の中で死んでしまおうと思っていたのでした。そういうわけで、自分のドレスの中にプリンセスは小さなナイフを隠し持っていました。     つづく


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