「あんた達!帰るわよ」

つよし君のママの掛け声で、みんな自分のママの所へ走りました。

「知らない汚ならしいおばあちゃんと話しちゃだめでしょ」

つよし君のママは、おばあちゃんをにらみながら言いました。

それを聞いて、

「キキ、あれじゃぁみんなの羽が汚れるね」

おばあちゃんは、悲しそうにつぶやきました。すると空も雨を落とし始めました。

 家に帰るとすぐにつよし君はママに聞きました。

「ねぇ。僕に弟とか妹がくるの?」

「あら、どこのおばちゃんに聞いたの?」

「えっ。それじゃぁ。本当なの?」

「ええ。もう少ししたら、言おうと思っていたんだけどね。来年の春前に生まれるのよ。貴方も大きい組になるんだから…」

つよし君はママの最後の言葉も聞かずに、家を飛び出しました。そして、良太の家へやって来て、

「たいへんだ、たいへんだ。りょりょうた。

あのおばあちゃん本当の魔法使いだ!」

と、叫びました。

 それからの数日は、みんなとても良い子でいました。良太は大きらいだったピーマンを食べるようになりました。美代ちゃんは、パジャマのお着替えが一人でできるようになりました。他のみんなもそれぞれに、良い子になるようにがんばりました。

 でも、根っからのあばれん坊のつよし君は、そのうちにがまんできなくなってしまい弟とまたけんかをしてしまいました。泣いている弟をほったらかしにしたまま、つよし君が遊びに行こうとすると、黒猫がつよし君の前を通り過ぎました。つよし君ははっとして、公園へ急ぎました。

おばあちゃんは、魔法のほうきでごみをはいていました。

「おばあちゃん。弟とけんかしちゃった」

泣きそうなつよし君の顔を見ておばあちゃんは、笑いながらほうきをふってくれました。

「さぁ、きれいになったよ。でも仲良くしないとだめだよ」

「へへへ」

つよし君は、てれくさそうに笑いました。

しかし、つよし君は、その時悪い事をすればおばあちゃんの所へ来ればいいと思ってしまったのでした。

それからつよし君は、何度も弟を泣かしたり、お友達に意地悪をしてしまいます。

「そろそろ、おばあちゃんの所へ行くかな」

つよし君が、公園に行くとその日はおばあちゃんがいませんでした

 つづく

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