それから、おばあちゃんは、みんなの背中に羽が見えるお話をしてくれました。
すると、
「それじゃ、なんでぼくたち飛べないのさ」
つよし君が、また意地悪そうに言いました。
「それは、みんな天国から地球に落ちたからだよ」
「えー、ぼくたちママのお腹からでてきたんだよ」
つよし君が、そんな事も知らないのと言いたげに、言い返しました。
けれども、おばあちゃんはほほ笑んだまま
「ママのお腹に入る前は天国に居たんだよ」
と、言いました。
「あぁ。そっか」
なおき君が、また腕組みをして、うなずきました。
「天国と地獄なんて本当にあるの?」
つよし君が、むきになって言い返しました。
するとおばあちゃんは、ほほ笑みながら
「きっとあるよ。でも、万が一なくても、あった時困らないようにした方が良くないかい?」
すると、みんな、うなずきました。
「人に意地悪すると、どんどん羽は黒くなって、天国に帰る時が来ても飛べなくて天国へ帰れなくなるんだよ」
「天国へ帰る時って?」
今度は良太が聞きました。
「そうだねぇ。死ぬ時だよ」
「あぁ、ママが言ってた。悪い事をしたら、死ぬと天国じゃなくて地獄へ行くって」
まりちゃんが、泣きそうな顔をして言いました。
「そうだよ。けんかばかりしていると、背中の羽がやぶれてだめなんだよ」
おばあちゃんが、怖そうに言うと、つよし君の顔がゆがみました。
「どうしたらやぶれた羽は元に戻るの?」
つよし君が、真剣に聞きました。つよし君はけんかばかりするので、自分の羽はきっとぼろぼろにやぶれていて、絶対に飛べないと思ったからです。すると、おばあちゃんはほほ笑んで
「つよし君大丈夫だよ。けがをしても治るみたいに、良い子にしいてれば、羽の傷は治るからね。飛べるようになるよ。1回悪い事をしたら2回良い事をしなさいね」
と、やさしく言いました。
「そっか」
つよし君は、少し安心しました。
みんなは、それぞれ顔を曇らせて自分の背中を見ようとしています。
すると、おばあちゃんは笑いながら
「じゃぁ、みんなの羽を治してあげるから」
そういって、ほうきをえいっと振りました。
「ほら、もうみんなきれいだよ。もう汚さないでおくれね」
「やったぁ」
お天気とは反対に、なんだかみんなの心は 晴れ晴れとして、みんなばんざいをして喜びました。
おばあちゃんは、満足そうにキキの頭をなでると、キキは大きなあくびをしました。 つづく